GMOインターネットグループは、未来の経営幹部候補を採用する「新卒年収710万円プログラム」を実施するなど、新卒採用に特に力を入れている企業です。また、「GMO AI&ロボティクス商事」などAIを活用した事業を複数手がけ、社内でのAI技術活用も推進する最先端AI企業でもあります。
同社は「PeopleX AI面接」を導入したことで採用業務の大幅効率化を実現。現在は少数精鋭体制ながら、10,000名を超える応募者一人ひとりの個性や潜在能力を深く見極める採用フローを構築。AI技術の活用を全社的に推進する同社が、AI面接によってどのように採用活動の効率化と質の向上を両立させているのか、その詳細を伺いました。
担当者の職務
新卒採用は、未来の経営幹部候補を採用する「グループ最重要プロジェクト」
── はじめに、貴社の事業概要について教えてください。
吉田様:GMOインターネットグループは、約150社のグループ会社からなる総合インターネット企業グループです。上場企業12社を中心とし、インターネットインフラ、セキュリティ、広告・メディア、金融、暗号資産事業などを多彩に展開しています。
現在は「AI&ロボティクスで未来を創るNo.1企業グループ」というビジョンを掲げ、グループ全体でAI・ロボティクス事業を推進しており、社内業務の効率化にもAIを積極的に活用しています。グループ全体の生成AI業務活用率は約98%に達しています。
── ありがとうございます。その中で、吉田様と堀様はどのような業務を担当されているのでしょうか?
堀様:私たちは主に新卒採用を担当しています。現在、新卒採用(新卒年収710万円プログラム)はグループの最重要プロジェクトと位置付けており、高度人財採用の勢いをさらに加速させるべく、採用活動に励んでおります。
導入の背景と課題
少人数での新卒採用。応募者のポテンシャルをいかに見極めるか
──新卒採用を担当される中で、どのような課題を感じていらっしゃいましたか?
吉田様:私たちが担当する新卒採用は、すべてのオペレーションを少人数で回すことは現実的ではありませんでした。以前はエントリーシートの次に人事担当者が対面での一次面接を行っていましたが、同じフローでは物理的に対応が困難です。この一次選考の工数を大幅に削減するためにAI面接の導入は必須でした。
──全社的にAI導入を推進されているとも伺いました。AI活用状況についても教えていただけますか?
堀様:当社では毎月「GMO AI Day」という日を設けています。この日は全従業員がAIを学ぶか、AIを使って業務効率化に取り組むなど、AIに関することしか行いません。また、AIツールの利用料金を平均月1万円補助する「AIブースト支援金」という福利厚生制度もあり、簡単なチャット利用からコーディングまで、日常業務でAIを活用する文化が根付いています。こうした背景も、採用プロセスにAIを導入する後押しになったと思います。

導入の決め手
既存事業で抱いていたPeopleXの技術への信頼感。対話技術が選定のポイントに
──AI面接サービスの導入にあたり、他社サービスとの比較検討はされましたか?
吉田様:いえ、私は、以前にAI・ロボティクス事業に携わっており、その際にPeopleX様と技術面での取り組み(※1)をさせていただいた経緯があります。その時のやり取りを通じて技術的に優れていると感じていましたし、信頼感もありました。
※1【国内初】GMO AI&ロボティクス商事とPeopleXが協業し、ロボット人材派遣型サービスでAI対話機能を備えた「G1」の派遣を開始/ヒューマノイドロボットとAIの融合がもたらす新たな顧客体験を提供 https://peoplex.jp/news/20250902_02/
別事業での活用事例があったことで、当時導入を検討していた人事担当者も「これはいける」と非常に好意的に捉えていました。特に対話技術の高さが評価されていて、既存の取引関係と技術への信頼があったため、スムーズに導入が決まりました。
導入後の効果
ESでは見えない「No.1人材」の資質を発見。選考の質と効率が大幅に向上
── 実際に導入してみて、どのような効果を実感されていますか?
吉田様:私たちは「新卒年収710万円プログラム」として、未来の経営幹部候補となる人材を採用しています。何かしらの分野で「No.1」の取り組みをしてきた方や、AI・ロボティクスに深い知見を持つ方など、エントリーシートだけでは読み取れない「秀でた人材」は多く眠っています。
AI面接を導入したことで、人の面接コストをかけずに、応募者一人ひとりの話を深く聞けるようになりました。こちらで質問をカスタマイズできるので、「普段どのAIモデルをどのように活用していますか?」といった具体的な問いを通じて、その方の興味の度合いや知識レベルを正確に把握できます。これにより、応募者の見極めの質、ひいては選考の精度が向上したと実感しています。

── AI面接のデータはどのように活用されていますか?
吉田様:新卒採用には10,000名以上の応募がありますが、「全文文字起こし機能」が非常に優秀で、これを主に活用しています。まず面接の「要約」と「文字起こし」を確認し、そこで話されている内容を見て判断します。評価スコアは参考程度で、ボディランゲージなどが低くても内容が良ければ全く問題にしません。動画は、雰囲気を確認したり、後続の面接官に申し送りをする際に見返したりします。メモだけでは伝わりきらない情報を共有できるので、面接官全員が同じ認識を持って選考に臨める点も大きなメリットです。
堀様:エントリーシートには書ききれなかった、さらに深い情報を話してくださる候補者の方も多いです。文字起こしデータでその重要な部分をしっかり確認できるのは、とても助かっています。
今後の展望と期待
「この人はGMOと相性が良い」AIが候補者の活躍可能性を示唆する未来へ
── 最後に、今後のサービスの活用方針や、AI面接というサービスに期待することをお聞かせください。
吉田様:今後、蓄積された選考データをAIが分析して、「この人はGMOインターネットグループとの相性が90%です」といったように、候補者との相性を示してくれるようになると面白いですね。私たちが判断に迷うような候補者でも、過去のデータから「このタイプの人は活躍する傾向がある」といったサジェストがあれば、これまでとは違う視点で候補者を見極めることができ、採用の可能性がさらに広がるのではないかと期待しています。
堀様:そうですね。入社後の活躍度合いまでデータ連携ができるとさらに精度が上がりそうですので、期待しています。
──貴重なご意見ありがとうございます。ぜひ今後の開発の参考にさせていただきます。本日はありがとうございました。

導入の背景
「生活者発想」の企業が直面した、採用効率化のジレンマ
博報堂DYグループの「デジタルコア」として、デジタルマーケティングを牽引する株式会社Hakuhodo DY ONE。同社は、数千名規模の応募が集まる企業でありながら、採用活動においては「効率化」と「候補者への誠実な向き合い」のバランスに悩んでいた。
これまで導入していた「録画面接」では、学生が投稿した約10分間の自己PR動画を、社員2名体制で全て目視確認していた。
宇野氏:「学生1人の合否を決めるのに、動画視聴を含めて20分はかかります。インターンだけで500人、本選考を含めるとさらに増える。単純計算でも年間500時間近くを動画チェックに費やしていました」
さらに深刻だったのは「離脱率」の高さだ。「動画を撮って送る」という心理的・物理的ハードルにより、応募の意思はあるものの、約25%の学生が選考を辞退していたのだ。
布山氏:「効率化はしたい。でも、我々は『生活者発想』を掲げるなかで、人を大切にしたい。AIに面接を任せることで、当社の企業イメージが損なわれるのではないか?そんな葛藤が社内にはありました」

導入の決め手
決め手は「人を感じる温かみ」
そんな中、出会ったのがPeopleXのAI面接だった。複数のAI面接サービスを比較検討する中で、同社が最も重視したのは「人間らしさ」が感じられる候補者体験の良さだった。
布山氏:「他社のサービスも拝見しましたが、静止画だったり、無機質なものが多かった。しかし、PeopleXのAI面接はアバターを活用し、一定の対話感が確保されていました。さらに、固定化された質問だけでなく、学生の回答に応じて深掘り質問を柔軟に投げかけてくれる点に大きなバリエーションを感じ、それが導入の決め手となりました。」
デジタルネイティブであるZ世代の学生にとって、ゲームやVRのアバターは馴染み深い存在だ。むしろ、無機質なシステムよりも、アバターが相手をしてくれる方が緊張せずに素を出せるのではないか。そんな仮説のもと、PeopleX AI面接の導入と面接官のハイブリッド評価で透明性を確保しながら、最終決定は人がおこなう仕組みを担保した採用プロセスの高度化を図ることを決断された。
導入後の効果
選考工数を400時間削減。離脱率は驚異の10%以下へ
導入の効果は、予想を遥かに上回るものだった。
まず、最大の課題だった工数は劇的に削減された。
宇野氏:「これまでの500時間が、AIによるスクリーニングと確認作業だけになり、おそらく50〜100時間程度に収まっています。約400時間の削減です。」

そして、懸念されていた学生の反応も好意的だった。24時間365日、スマホさえあればいつでも受験できる手軽さは、多忙な就活生にとって大きなメリットとなった。
宇野氏:「録画面接時代に25%あった離脱率は、AI面接導入後、10%以下にまで下がりました。受けている時間をデータで見ると土日や深夜に受験している学生も多く、機会損失を確実に防げていると実感しています」
今後の展望
テクノロジーと人間味が融合した、次世代の採用活動を追求
AI面接の導入は、効率化だけでなく「公平性」という新たな価値も生み出した。
布山氏:「学生に対しては『AIだからこそ、面接官の当たり外れやバイアスがなく、全員同じ基準で公平に見てもらえる』と説明しています。これが非常にポジティブに受け入れられました。AIでフラットに評価し、その後の選考で社員がじっくりと人物面を見る。この役割分担が上手く機能しています」
将来的には、AIの評価スコアと適性検査の結果など蓄積されたデータを活用し、入社後の活躍予測や、業界平均と比較したフィードバックなど、AIならではの機能を拡張していく構想も検討していきたいという。
布山氏:「AI面接は、単なる効率化ツールではありません。学生にとっても、企業にとっても、より納得感のある幸せなマッチングを実現するためのパートナーです。今後はこのモデルを、中途採用や他の領域にも広げていきたいですね」
株式会社Hakuhodo DY ONEの挑戦は、テクノロジーと人間味が融合した、次世代の採用活動のあり方を提示している。