エン株式会社の広告営業の育成部門では、知識をインプットする研修は実施していたものの、実践的なトレーニングの機会が不足している点に課題を抱え、AIロープレの導入を検討。「PeopleX AIロープレ」導入後、約3ヶ月で商品の提案件数や架電数が増加する効果が表れ始めている。中途採用 求人広告・DR事業部 企画部 グループマネージャーの鍋倉様に、AIロープレ導入前の課題や導入後の変化を伺った。
担当者の職務
人材サービスの最前線を支える「現場で実践できる営業」を育成
──はじめに、鍋倉様の業務内容を教えてください。
鍋倉様:当社は幅広く人材サービス業を展開していますが、そのなかでも私は「エン転職」「ミドルの転職」「AMBI」といった転職サイトやスカウト転職サービスを扱う事業部に所属しています。営業を経験した後に2024年から現在の部署に異動し、私を含む7名体制で営業の育成を担当しています。
──具体的にどういった取り組みをされているのでしょうか。
鍋倉様:新卒1年目向けの研修やマネジメント階層別の研修のほか、全営業担当者向けに体系化した研修などを実施しています。
当社では「知っている」「わかる」「できる」「教えられる」という4段階の認定制度を設けており、私たちは、座学研修や動画コンテンツの提供を通じて「わかる」状態に引き上げ、実践的な試験等を通じて「できる」状態になっているかを確認する役割を担っています。
AIロープレ 導入の背景と課題
「わかる」から「できる」への高い壁。現場任せになりがちだった実践トレーニング
──AIロープレの導入前から、日常的にロープレは実施されていたのでしょうか。
鍋倉様:日常的な実施という点では、十分にはできていませんでした。私たち営業育成部門では、主にインプット研修や、「できる」状態になっていることを確認する認定試験としてのロープレを行っていましたが、そこに至る日常的な練習については現場や各自に任せていたからです。
しかし、現場もリソースが逼迫しており、ロープレ練習まで十分に手が回らないのが実情でした。
──「わかる」から「できる」になるまでのアウトプット型の研修がなかなかできない状況だったということでしょうか。
鍋倉様:はい。結局のところ、本当に営業が「できる」ようになるためには、顧客との商談経験を積み重ねるしかありません。しかし、経験の浅い若手がいきなり商談現場に出るのはハードルが高いものです。
そのため、現場に出る前にロープレ練習を実施したいのですが、社内での提供はリソース上難しかったため、AIロープレサービスを検討することにしました。複数比較検討したなかで、シンプルでわかりやすいこと、直感的に使いやすいことが決め手となり、「PeopleX AIロープレ」を導入しました。

導入後の効果
練習した商品の提案件数が約2倍に。若手の行動量が明らかに増加した
──実際にAIロープレを導入してみて、営業の方々からの反応や効果についてはいかがでしょうか。
鍋倉様:現在は主に1年目の求人広告営業を対象にAIロープレを活用しています。彼らからは「研修で知識をインプットした後、すぐにAIロープレでアウトプットできるのが良い」という声が上がっています。実践を通じて、「自分がどこを理解できていて、どこでつまずいているのか」がその場ですぐに明確になる点も好評です。
まだ導入して約3ヶ月という状況ですが、数値的な効果も表れ始めています。ある商品の知識をインプットする研修とAIロープレをセットで実施したところ、実施前と比較してその商品の提案件数が約2倍に増えました。また、1年目の営業を対象に架電のロープレを実施したところ、一人あたりの架電数が昨年度と比較して10件ほど伸びています。
AIロープレで練習を重ねることで「本番でもできる」という自信につながり、心理的なハードルが下がって行動量が増え、結果に繋がっているのだと考えています。特に1年目の若手にはフィットしやすいサービスだと感じています。
また、1年目の営業のAIロープレでの評価順位と、実際に現場へ出た後の商談獲得数の順位が一致しており、AIロープレの評価の妥当性や精度の高さを改めて実感しています。
今後の期待と展望
自発的に取り組みたくなる工夫が重要。ゲーム感覚で楽しく継続できる仕組みづくりへ
──最後に、今後のAIロープレの活用方針や、AIロープレというサービスに期待することをお聞かせください。
鍋倉様:現在は行動の「量」を増やすという点で効果が出ていますが、次のテーマは「質」の向上です。また、研修期間が終わるとどうしても活用率が下がりがちになるため、自発的にAIロープレに取り組みたくなるような工夫をしていきたいと考えています。
そのためには、より現場感のあるリアルなロープレシナリオの設計や、営業担当者が楽しく継続して取り組める仕組みづくりが重要だと考えています。
現状もロープレの点数や習熟度を見ることができますが、よりゲーム感覚で取り組みたくなるような仕組みや運用ができると良いと思っています。また、ロープレのフィードバックをより簡単にカスタマイズできる機能や、個人ごとにより詳細に分析データが見られるようにしていただけると非常にありがたいです。
──貴重なご意見をありがとうございます。今後のサービス開発の参考にさせていただきます。本日はありがとうございました。
導入の背景
JR西日本グループは、「お客様との出会いを大切にし、お客様の視点で考える」という企業理念に基づき、快適で満足度の高いサービスの提供に取り組んでいます。
新幹線においては、様々なお客様がご利用されることから、車掌には高度な接客スキルが求められます。こうした高度な接客スキルは、これまで個々人の経験やOJTによる指導に依存する部分が大きく、知見を全車掌に平等かつ体系的に共有・活用することが課題となっていました。また、対人でのロールプレイング訓練は、社員同士で行うため、リアリティに欠けやすく、同時に複数の乗務員を訓練することから、限られた教育機会の中で体験できるシナリオの数に制約がある点も課題となっていました。
このような背景を踏まえ、新幹線車掌の接客対応力向上を目的として、2026年7月以降AIロールプレイングを導入し、新たなトレーニング手法として有効性を検証することとなりました。本取組では、多様な接客シナリオを高い再現性で提示し、個々のスキルに合わせた訓練項目の設定や自分のペースで気軽に訓練できる環境を構築することで、全乗務員が実践的な接客対応力を身につけ、お客様一人ひとりのニーズに寄り添った柔軟かつ高品質なサービスの提供を目指します。
JR西日本グループは、「私たちの志」と「長期ビジョン2032」を掲げ、その実現に向けて、様々なパートナーとともに新たな挑戦を続け、イノベーションを推進しています。その中で、以下のような点を特に評価いただき、「PeopleX AIロープレ」を選定いただきました。
・AIとの対話の品質の高さ
・シナリオや対話相手のAI、評価に関する設定の自由度の高さ
・AIによるシナリオ自動作成機能による運用のしやすさ
ご担当者様からのコメント
西日本旅客鉄道株式会社 新幹線運輸部 會見 有香子 様
「PeopleX AIロープレ」は、実際の接客に近いやり取りを高い再現性で繰り返し体験できる点に加え、昨今の傾向を踏まえたシナリオを柔軟に作成できる点が特徴だと感じています。また、その場で振り返りを行いながら改善につなげられることから、乗務員にとっては自身の対応を客観的に見直し、次の行動に活かす実践的な学習機会になると期待しています。今後は、本サービスの活用を通じて現場での対応力と判断力の向上を図り、お客様に寄り添ったサービス提供につなげてまいります。
※2026年6月25日 PeopleXプレスリリース「JR西日本、鉄道業界で初めて「PeopleX AIロープレ」を導入/お客様一人ひとりに寄り添った柔軟かつ高品質な対応の実現に向け、乗務員の接客対応力向上を目的として、対話型AIロールプレイングを導入」より抜粋
導入の背景・ねらい
マネジメントにおける対話(1on1面談)は、これまで個人の経験則に依存する側面が強く、自身の改善点やコミュニケーションの癖を客観的に把握することが困難な領域でした。
このような課題の解決を目的として、この度、電通アイ・アンド・シー・パートナーズに本サービスを導入いただきました。役職者がAIとのシミュレーションを通じて自らの対話スキルを客観視し、メンバー一人ひとりの成長を最大化させる「質の高い面談」を実現することをねらいとしています。
マネジメント層の「伝える力」および「引き出す力」が向上することで、メンバーは自らの課題や役割をより深く、正確に理解できるようになります。これにより、個々の業務への納得感を高めるとともに、組織全体のエンゲージメント向上や離職防止といった、強固な組織基盤を構築することを目指します。
ご担当者様からのコメント
株式会社 電通アイ・アンド・シー・パートナーズ HR部 部長 加藤 麻衣 様
1on1面談は、メンバーの可能性を引き出し、その成長を後押しするための「重要な支援の場」であると考えています。
しかし、対人スキルは個人の経験則に依存しやすく、メンバーの成長に正しく寄与しているか、客観的に振り返る機会が限られていたことが課題となっていました。
マネジメント層のスキルがアップデートされることで、メンバーは自身の役割をより深く理解し、納得感を持って日々の業務に挑戦できるようになります。
この導入を機に、1on1面談がメンバーの成長を加速させる貴重な時間となるよう、組織全体で対話の質を追求してまいります。
※2026年2月20日 PeopleXプレスリリース「電通アイ・アンド・シー・パートナーズ、PeopleXの対話型AIサービス「PeopleX AIロープレ」を導入」より抜粋
導入の背景・ねらい
ベイシアは、創業以来の経営理念「For the Customers(すべてはお客様のために)」のもと、「より良いものをより安く」を追求し、地域に密着した事業活動を展開されています。関東地方を中心に、1都14県に138店舗を展開(2026年2月末現在)。鮮度や品質にこだわった商品の仕入・販売に加え、PB商品の開発、特色ある商品づくりや売場展開に取り組まれています。
さらに、「人をつくって商で文化を創造する」という理念のもと、デジタル技術の活用や人財育成にも注力し、地域社会の持続的な発展を支えています。その中で、人事領域における先進的なAI活用施策の一環として、「PeopleX AI面接」「PeopleX AIロープレ」の2サービスを導入いただくこととなりました。両サービスを通じ、採用時の人財評価から入社後の育成まで、対話型AIの活用による質の向上、業務効率化・標準化をご支援いたします。
「PeopleX AI面接」の導入について
導入にあたっては、数に制限のない自由な設問作成、深掘り質問の詳細設定といった柔軟性を評価いただきました。また、応募者の皆さまが、日程調整不要で24時間365日いつでも面接を実施できること、AI面接官との自然な対話といった体験の質の高さも選定理由となりました。
今後は、コミュニケーション力や主体性など同社にマッチする人財の見極めを強化しながら、採用担当者のリソースをより人ならではのコミュニケーションに傾けられる方針です。
「PeopleX AIロープレ」の導入について
ベイシアでは、人財育成を重要な経営テーマと位置づけ、入社以降の各段階で職位・職責に応じた教育を実施されています。
この度、従業員のスキルアップの早期化、育成の負荷削減・標準化を目指し、本サービスを導入いただきました。AIとの対話の品質、ロールプレイングのシナリオや評価に関する設定の自由度、さらに設定時にAI機能を活用できることによる運用のしやすさを高くご評価いただいての選定です。
まずは店長のマネジメント力強化に向けて利用を開始され、店長のコミュニケーションスキルの定量的な測定・可視化に取り組まれます。今後は、現場で成果を上げる店長のスキル要素をロープレシナリオに反映し、組織全体への展開を図ることもご検討いただいています。さらに、接客や社外対応など、さまざまなシーンへ活用の幅を広げていくことも視野に入れられています。当社は、こうした取組を通じて、同社の人財育成施策における本サービスの定着をご支援してまいります。
ご担当者様からのコメント
株式会社ベイシア 人事本部 役員待遇本部長 割石 正紀 様
受け継いできた「人を大切にする」という信念を、テクノロジーの力で次の時代へ
ベイシアは創業以来、「人をつくって商で文化を創造する」という経営理念のもと、社員一人ひとりを大切にし、その成長を支えることを経営の根幹に据えてまいりました。時代やお客様のニーズが移り変わり、私たちが手にするツールや運営の在り方が変化しても、「人を大切にする」という想いそのものは、これまでも、これからも変わることはありません。
今回の「PeopleX AI面接」「PeopleX AIロープレ」の導入は、こうした不変の想いを、新しい時代の手段でより確かなものとするための一歩です。AI面接では24時間365日、応募者の皆さまが落ち着いて自分らしさを表現できる環境を整え、AIロープレでは社員一人ひとりが自分のペースで実践的な学びを積み重ねられるようにする。いずれも、効率化だけを目的としたものではありません。応募者の皆さま、そして社員一人ひとりの「体験の質」をこれまで以上に高めていくことを、何よりも大切にしたいと考えています。
AIはあくまでツールであり、人と人をつなぐ営みの主役は、これからも「人」です。テクノロジーを丁寧に使いこなしながら、応募者の皆さまや社員の声に耳を傾け、一人ひとりに寄り添うHRの在り方を追求していく。これは、「絶えず挑戦する(Beisia is Dedicated to Challenge)」というベイシアのDNAそのものでもあります。お客様へのサービス品質向上の源泉は、社員一人ひとりの成長と納得感にあると考えています。その確信のもと、これからも変化を恐れず、新しい一歩を踏み出してまいります。
※2026年5月28日 PeopleXプレスリリース「ベイシア、PeopleXの対話型AIサービス「PeopleX AI面接」「PeopleX AIロープレ」を導入」より抜粋
導入の背景・ねらい
横河商事は、計測、制御、情報分野の世界的なリーディングカンパニーである横河電機株式会社の関連子会社であり総合代理店です。首都圏、中京圏、近畿圏を中心に全国にネットワークを展開する総合エンジニアリング商社として、各種機器・ソフトウェアの製作・販売等を行い、さらに高い技術力をもってメンテナンスや技術サポートなど付加価値を提供しています。
同社では、アフターサービス部門のサービス員がお客様先で修理点検や保守対応を行う際、単なる修理点検にとどまらず、情報収集を通じてお客様の課題を捉え、次の提案や取引拡大につなげることを目指しています。そこで、サービス員の「情報収集力と提案力」を強化するため、2025年度より当社グループ会社である株式会社ジェックのサービス員向け研修を導入し、現場対応力の向上を図っています。
これに加えてこの度、研修で学んだ内容の定着を目的に、「PeopleX AIロープレ」を導入いただくこととなりました。AIとの対話による定期的かつ継続的なロールプレイングを通じて、情報収集力と提案力の一層の強化を進め、対応品質および顧客満足度の向上を目指します。
ご担当者様からのコメント
横河商事株式会社 執行役員サービス本部長 桶谷 憲一 様
横河商事株式会社では営業、技術、サービスが三位一体でお客様に対応し、現在では製品販売の物売りからお客様の課題解決として事売りに変化しており、お客様への提案、契約を営業、導入を技術、導入後のアフターメンテナンスをサービスが担っています。
アフターメンテナンス時のお客様課題情報を営業へフィードバックする事で新たな提案へ繋げる事を推進していますが、サービス員はメンテナンス技術を持っているものの「情報収集力と提案力」の育成方法は確立したカリキュラムが無く先輩からの伝承や部署任せに成っており、育成方法に課題が有りました。
そこで、株式会社ジェックのサービス員向け研修を導入する事で「情報収集力と提案力」の強化を行い、更には「PeopleX AIロープレ」を導入する事で定着させ、営業、技術、サービスのビジネスサイクルを確実に回す事を目指しております。
※2026年4月3日 PeopleXプレスリリース「横河商事、PeopleXの対話型AIロープレサービス「PeopleX AIロープレ」を導入」より抜粋
導入の背景・ねらい
携帯電話販売国内最大手であるティーガイアは、携帯ショップ運営やスマホアクセサリー販売などのコンシューマ事業、通信回線・デバイスの導入支援から運用・保守・回収までをワンストップで提供する法人事業を展開。暮らしの様々な場面で、ICTを中心に幅広いサービスを提供しています。
社内人材に関しては、社員一人ひとりが自律的に挑戦し、能力を最大限に発揮できる環境を整えることこそがお客様の「信頼のパートナー」であり続けるために不可欠なことだと考え、「人的資本」への投資に注力しています。入社1年目から年次ごとに研修を実施し、同社が運営する携帯電話のキャリアショップで販売業務に従事する販売職向けには、必要なスキルを段階に合わせて習得できる様々な研修を用意しています。
こうした人材育成の推進において、新たにAIロールプレイングサービスを取り入れることとなり、「PeopleX AIロープレ」を選定いただきました。ショップでの接客の練習のほか、店舗のマネジメント業務に携わる役職者のスタッフマネジメントの練習に活用いただきます。
選定にあたっては、特に以下の点を評価いただきました。
・AIとの対話の品質の高さ
・音声・動画をもとに、話し方や振る舞いも評価できること
・シナリオや対話相手のAI、評価に関する設定の自由度の高さ
・AIによるシナリオ自動作成機能による運用のしやすさ
・効果の最大化に向けて伴走するカスタマーサクセス体制
今後、タスク管理機能やダッシュボードでの組織全体のスキルの可視化により、反復練習のサイクル確立を進めます。店舗スタッフのスキルアップの早期化、標準化を通じて、接客力・店舗運営力の大幅強化を目指すとともに、本社業務に関連してのロープレなど活用の幅を拡大することも検討していきます。
ご担当者様からのコメント
株式会社ティーガイア
モバイル第二本部 モバイル第二戦略部 教育チーム 兼
モバイル第三本部 モバイル第三戦略部 教育チーム チームリーダー
三好 利明 様
ティーガイアでは、お客様により良い価値を提供し続けるためには、社員一人ひとりの成長が何よりも重要であると考えています。そのため、これまでも人材育成を重要な経営課題の一つとして位置付け、さまざまな教育施策や学習機会の充実に取り組んできました。
一方で、接客や提案、マネジメントといった実践的なスキルは、知識を学ぶだけでは身につきません。実際に対話し、挑戦し、振り返るというアウトプットの機会をどれだけ増やせるかが成長の鍵になります。しかし、店舗運営や日々の業務の中では、十分な練習機会の確保や指導の標準化に課題がありました。
今回導入する「PeopleX AIロープレ」は、社員一人ひとりが時間や場所にとらわれず、自分のペースで繰り返し実践練習を行える環境を実現するものです。接客応対や提案力の向上だけでなく、店舗マネジメントやコミュニケーションスキルの強化など、幅広い活用を期待しています。
私たちは、社員が小さな成功体験を積み重ねながら成長し、その成長がお客様への価値提供につながる好循環を生み出したいと考えています。今後も人の成長とデジタル技術を融合させながら、人材育成の高度化に取り組み、お客様から信頼され続ける企業を目指してまいります。
※2026年7月7日 PeopleXプレスリリース「株式会社ティーガイア、PeopleXの対話型AIロープレサービス「PeopleX AIロープレ」を導入」より抜粋
株式会社エリメントHRCは、「Enrich One’s mind/人の心を豊かに」をミッションに掲げ、ヘルスケア・IT・製造領域に特化した人材紹介・コンサルティングを展開する企業である。同社が大切にしているのは、単なる求人要件と経歴の照合ではない。候補者の「意向」と「性質」、そして転職先における「働き方」の間に論理の橋を架ける、独自の「エリメント流コンサルティング術」である。面談は求人紹介の前段階ではなく、候補者と企業双方にとって最適な選択肢を見極めるための中核プロセス。一方、IT/製造事業部では事業拡大に伴って新人比率が高まり、面談品質をいかに保ちながら育成を仕組み化するかが課題となっていた。
本記事では、「PeopleX AIロープレ」を導入し、「エリメント流」の伝承と育成効率化を進める同社の取り組みについて、採用コンサルティング事業部の若林様と、マーケ&リサーチ事業部の佐藤様に話を伺った。
担当者の職務
IT/製造領域の事業拡大と、候補者集客・面談品質の設計を担う
── はじめに、貴社の事業概要について教えてください。
若林様:当社は、もともと医療領域に特化したサーチファーム、ヘッドハンティングの会社としてスタートしました。創業から20周年を迎え、現在はヘルスケアに加えて、IT/製造領域にも事業を広げています。大きくは、医療領域に特化したメディカル事業部と、IT/製造事業部の2つを軸に、人材紹介サービスを展開しています。
── その中で、若林様と佐藤様はどのような業務を担当されているのでしょうか?
若林様:私は採用コンサルティング事業部のゼネラルマネージャーとして、15名のメンバーを見ています。候補者の集客からクライアント対応、商談、そしてCA(キャリアアドバイザー)の面談品質の管理・育成までが主な役割です。単に人材をご紹介するだけではなく、クライアントの採用課題と候補者の意向を正しく捉え、双方にとって納得感のある選択肢をつくることを重視しています。
佐藤様:私はマーケティングマネージャーとして6名のマネジメントをしながら、主に候補者集客および広報関連を担当しています。自社のオウンドメディア運用や、候補者の方との面談が中心です。誰に、どの求人を、どのような言葉で届けるべきかを日々検証しながら、集客の入口から面談までを一気通貫で見ています。

導入の背景と課題
急成長するIT/製造事業部で、「エリメント流」をどう伝承するか
── 今回、「AIロープレ」を導入いただきました。もともと、対人でのロープレは実施されていたのでしょうか。
若林様:はい。新人育成のプロセスの中で、ロープレは以前から実施していました。OJTの一環として、先輩や上長とロープレを重ね、実際の面談にも同席しながらスキルを身につけていく流れです。特に候補者との面談品質は、当社が最も大切にしている部分です。候補者の言葉の表面だけではなく、その背景にある感情、意思決定の理由、言語化されていない違和感まで拾いにいく面談を徹底しています。オープン/クローズド質問の使い分け、自己開示、共通点を起点にしたラポール形成などを取り入れ、一問一答の確認作業にならないようにしています。
── 研修は具体的にどれくらいの期間で行われるのですか。
若林様:まず約2週間の座学研修があります。その後、集客に関するOJT、候補者面談の同席・同行へ進みますので、トータルでは2ヶ月程度です。前半はCAの面談ロープレが中心で、RA(リクルーティングアドバイザー)の研修は後半で実施しています。
── ロープレには、決まった「型」のようなものがあるのでしょうか。
若林様:あります。当社独自の「エリメント流コンサルティング術」と呼んでいる面談の型があり、まずはその型に沿って実践できているかを確認します。候補者の方の属性や経験によって質問や提案は当然変わりますが、面談全体を貫く一本筋の通った型があります。それが、候補者の「意向」と「性質」、そして求人先での働き方を論理的につなぐという考え方です。
── 長年確立されてきた型がある中で、どのような課題を感じていたのでしょうか。
若林様:当社は長く医療・メディカル領域に特化して成長してきたため、その領域では「型」の伝承がかなり濃くできていました。一方で、後発で立ち上がったIT/製造事業部は、これから事業を伸ばしていくフェーズです。エリメント流を高い水準で実践できるメンバーを増やしていく必要がある中で、新人比率も高く、育成やロープレが後手に回ってしまう場面がありました。
佐藤様:一番大きかったのは、やはり工数の問題です。新人教育には時間がかかりますが、教える側も自身の営業数字を持っており、クライアント対応を行っています。昨年は新人が12名、今年も現時点で10名の入社が決まっており、育成対象が増えるほど、教育担当者側の負荷も大きくなっていました。
若林様:ロープレをしっかりやると、実際の面談と同じように1時間程度かかります。その間、先輩やマネジメント層のスケジュールは完全にロックされます。対応できるメンバーも限られるため、特定の社員に育成負荷が集中してしまう。これは、事業を伸ばしていく上で解決すべき課題だと感じていました。
導入の決め手
AIに任せることで、練習量とフィードバックの再現性を高められると判断
── AIロープレというサービスを知ったきっかけを教えてください。
佐藤様:2025年の年末頃に、御社の担当者である長嶋さんをLinkedInでお見かけし、ユニークな経歴に興味を持ったのがきっかけです。そこから「AIロープレ」というサービスを知りました。
ちょうどその頃、事業部内でも「新人が多く、ロープレ対応の時間が足りない」という課題が出ていました。AIロープレを導入できれば、教育にかかる時間を軽減しながら、練習機会も増やせるのではないかと考え、社長に提案して話を進めました。
── 若林様は最初、「AIとロープレする」と聞いたとき、どのように感じましたか?
若林様:正直に言えば、最初は懐疑的でした。当社には面談における独自の型があり、その中心には「意向」と「性質」という考え方があります。単に質問項目をなぞるのではなく、候補者の言葉の背景を捉え、働き方との間に論理の橋を架けていく必要があります。それをAIがどこまで理解し、どの定義に沿って評価できるのかは、最初は想像がつきませんでした。
── 他社サービスとの比較もされたのでしょうか。導入を決断された決め手は何でしたか?
佐藤様:いくつか比較検討は行いました。最終的な決め手は、時間を選ばず常時利用できることです。人が見るべき部分は人が見る。一方で、反復練習や一次的なフィードバックはAIに任せる。その切り分けができれば、育成の質を落とさずに練習量を増やせると考えました。

導入後の効果、組織内での反応
責任者の視点に近いフィードバックが得られ、育成工数の削減にも寄与
── AIロープレについて、導入後の現場の反応はいかがですか。
若林様:「思っていた以上に良い」という声が多く、現場の反応は良好です。私が懸念していた感情面や深掘りの観点についても、社内で普段指摘している内容に近いフィードバックが出てきます。実際に、面談で感情の読み取りや背景の掘り下げが苦手な傾向にあるメンバーが実施したところ、私が指摘する内容にかなり近いフィードバックが返ってきました。
当社の面談では、候補者の発する表層的な内容ではなく、その根っこにある『本質的な背景や理由』をとらえることが重要であるとしています。また、機械的に質問を消化するのではなく、候補者の意思決定の構造を理解することが大切です。AIロープレは、その観点を身につけるための練習機会を増やす仕組みとして、面談品質の底上げに寄与していると感じます。
── そのほかに、AIロープレを導入してよかったと感じている部分はありますか。
若林様:工数削減の効果も大きいです。これまでマネジメント層が複数人で長時間かけて確認していた部分の一部を、AIに任せられるようになりました。必要な箇所だけ動画を確認する運用にすれば、移動中などの短い時間でも確認できます。人が介在すべき本質的な部分に、より時間を使えるようになったことは大きいですね。
今後の活用方針やサービスに期待すること
キャリア面談から企業との商談、新人の卒業試験、ロープレ大会の予選へ。活用範囲を広げる
── 今後のサービス活用方針を教えてください。
若林様:現状はキャリア面談のロープレが中心ですが、今後は法人向け商談ロープレにも展開したいと考えています。企業の採用課題をどう捉え、どのような候補者提案につなげるかは、当社のコンサルティング品質を左右する重要な要素です。
また、当社には「新人の卒業試験」という独り立ちのためのテストがあります。仮想の候補者の設定に基づき、ヒアリングから企業の求人紹介までを行い、応募承諾をとれるか一連の流れと面談の品質を評価するものです。この卒業試験をAIのテスト機能で支援できれば、評価の一次判定や育成ポイントの可視化に有効だと考えています。
さらに、人材紹介会社数社で運営しているロープレ大会の社内予選にも、AIロープレを活用したいです。これまではマネジメント層が5〜6時間かけて採点していましたが、AIで一次採点や合否判定を行い、気になる箇所だけ動画で確認する運用にできれば、大幅な時間短縮につながります。
── 最後に、AIロープレというサービスに期待することをお聞かせください。
若林様:現時点でも問題なく活用できています。一方で、温度感や抑揚、応答の「間」など、人間同士の会話との差を感じる部分はまだあります。こうしたレスポンス設計や、評価観点のプリセット機能がさらに強化されると、より実践に近い育成環境になると思います。技術の進化によって、今後さらに良くなっていくことを期待しています。
── 貴重なお話をありがとうございました。今後の開発の参考にさせていただきます。

マリモホールディングスは、不動産事業を中心に複数事業を手がける株式会社マリモをはじめとした企業グループの経営管理・新規事業推進を行う持株会社です。
本インタビューの前半は「PeopleX AI面接・AIロープレ」の導入を推進した人事部の高部様に、サービス導入の背景を伺いました。後半では、マンション販売の営業担当の胤森様と伊藤様に、営業活動における課題感とAIロープレの活用実態について伺いました。

導入の背景
── 2026年は貴社にとっての転換期と伺ったのですが、詳細を教えていただけますか?
高部様(人事部):マリモホールディングスでは、2026年度を「人づくり元年」と位置づけ、事業成長を支える人材基盤の強化に取り組んでいます。その中で重視しているのが、「自助」と「共助」を前提とした人材育成の仕組みづくりです。個人の主体的な学習や挑戦(自助)を促しながら、それを組織として継続的に支え、育てていく仕組み(共助)をどう構築するか。この両立が、グループ全体の持続的成長に不可欠だと考えています。
── 人材育成において大切にされていることは何ですか?
高部様(人事部):マリモグループが目指しているのは、心理的安全性を基盤としつつ、学習と成長に向き合う「適度な緊張感」を維持できる組織です。私たちは、単に負荷を下げることや配慮を重ねることが「人を大切にすること」だとは捉えていません。期待を明確にし、成長に向き合い続ける環境を用意することこそが重要だと考えています。
── 素晴らしい姿勢ですね。その一環としてAI面接・AIロープレを導入されたのですね。
高部様(人事部):はい。今回のAI面接・AIロープレの導入は、採用や育成を効率化するためだけの施策ではなく、社員一人ひとりが主体的に学び、挑戦し続けられる共通基盤を整える取り組みです。今後もテクノロジーを活用しながら、個人の自律性と組織の育成力が両立する人づくりを進めていきます。
営業における課題感

── お二人の職務内容を教えていただけますか。
伊藤様: マンション売買の営業担当をしております。新卒で入社し、この4月から4年目に入ります。
胤森様:私はマリモで開発した新築マンションの販売をしています。元々はマリモに入ってからしばらくは事務職に従事していましたが、入社20年目を機に社内の「殻を破れプロジェクト」を利用して営業に転籍し、現在営業職としては5年目になります。
── 普段の営業活動で難しいと感じる点はどこでしょうか?
胤森様:お客様の「本音」を伺うことですね。数千万円という大きな買い物ですから、お客様は「買わされるんじゃないか」とガードを固めて来られます。そのガードを解き、話しやすい環境を作って本音をお話しいただく関係づくりに力を入れていますが、そこが非常に難しいと感じています。
── 関係づくりのために、どのような工夫をされていますか?
胤森様:些細なことですが、まずは天気の話など、自然な会話でのアイスブレイクを心がけています。お客様の不安な気持ちを解きほぐし、ガードを外していただくことを常に意識していますね。
── 伊藤様:はいかがでしょうか?
伊藤様:お客様のニーズを整理することが一番難しいと感じます。価格は安く、間取りは広く、利便性も良い、といったように、お客様はより良い条件を希望されますが、条件に100%合う物件はなかなかありません。条件に優先順位をつける必要があるのですが、場合によってはお客様とは違った「視点」をお伝えすることで、条件を変えていただいたり折り合いをつけていただくこともございます。
「PeopleX AIロープレ」を使ってみた感想
── AIロープレを使ってみて、率直な感想はいかがでしたか?
伊藤様:私はとても有意義に活用できています。対人でのロープレとは違う観点で質問が来るので、自分の知識不足やトークの引き出し不足に気づけたりします。そこで改めてインプットし直して再度ロープレにチャレンジするという、良いフローが組めています。
── AIロープレでご自身の知識不足や苦手なトークがわかると。
伊藤様:はい、その通りです。あとは自分の話し方や営業スタイルを客観視できるので、その点も学びになっています。
── AIロープレの評価についてはどう思われますか?
胤森様:初回の評点はそれほど高くなく、AIからは「具体的に言えていなかった」「結論を先に言いすぎている」といった少々辛口のフィードバックもありました。普段自分では意識しているつもりでもできていなかったことが客観的にフィードバックされる点は、非常に良かったです。私は負けず嫌いなので、ロープレで早くA判定を取りたいという気持ちになって、自然と練習が進みました(笑)。応酬話法の練習にもなり、役立つツールだなという印象です。
── 高い点数を取りたいという気持ちは、新人の方にも良い影響がありそうですね。
胤森様:そうですね。ロープレは事前にシナリオ設定しますし、AI相手ですので「こう答えたら100点なんだろうな」という準備ができると高を括っていたのですが、たとえ相手がAIであっても、会話の流れの中で実践できなければ意味がありません。どういう間で、どういう表情で話せばよいかという練習にもなるので、とても良いと思いました。

今後サービスに期待すること
── 今後、AIロープレにどのような機能があるとよいと思いますか?
伊藤様: 提案に必要な資料を読み込ませて、資料の内容に沿って提案をするロープレをしたいです。実際の接客時は、地図などを指し示しながらご案内するので、そういった資料を使いながらきちんと話せているか、という部分を練習・強化したいですね。
── 資料を活用したトークの練習ですね。胤森様はいかがですか?
胤森様:これはAIで実現できるのかわかりませんが、「顔の表情」「声のトーン」に人間のような変化があるといいなと思います。普段の営業活動でお客様から3つほど要望を提示された場合に、お客様がその中でどれを一番気にされているのかは表情やトーンでキャッチすることが多いように感じています。もちろん質問を重ねることで探っていくなどの方法もありますが、人間により近い心の機微について今後さらに改善されたらすごいなと期待しています。
── 貴重なご意見をありがとうございました。

