エン株式会社 導入事例
AI面接導入で採用工数が半減&候補者体験が向上。エンが実践する次世代の採用戦略
左から
人財戦略室 中途採用グループ 久志本 実希様
人財戦略室 中途採用グループ マネージャー 高橋 広樹様
- 導入の背景
- ⚫︎採用オーダーが急増。工数を削減しつつ採用の質と充足率は維持したかった。
⚫︎面接でのエピソード深掘りやアトラクトに注力し、CX(候補者体験)の向上を図りたかった。
- 導入後の効果
- ⚫︎人事の面接・日程調整が不要になり、契約社員採用の工数が半減した。
⚫︎候補者の情報を事前に把握できるため、中途採用の面接の質が向上した。
⚫︎採用の機会創出に繋がった。
- 社名
- エン株式会社
- 業種
- 人材サービス
- 従業員数
- 3001名〜
- 課題
- 採用CXの向上
採用工数削減
- エリア
- 中部
九州沖縄
近畿
関東
人材サービス大手のエン株式会社は、契約社員採用と一部の職種の中途採用(正社員)において「PeopleX AI面接」を導入した。契約社員採用では急増した採用オーダーに対応するための「工数削減」、正社員採用では「採用CXの向上」と、異なる目的でAI面接を戦略的に活用している。
同社は、AI面接の導入によってどのように採用課題を解決し、候補者との新たな関係性を築いているのか。中途採用グループの高橋様と久志本様にお話を伺った。
担当者の職務
「入社後活躍」を見据えてミスマッチのない採用を目指す
──はじめに、貴社の事業概要をお聞かせください。
高橋様:エン株式会社は、「エン転職」や「ミドルの転職」「AMBI」「エン エージェント」などを中心に、転職支援事業を展開しています。入社した方が組織に定着し、実際に活躍するまでを一貫して支援できるよう、採用領域に留まらず、評価・教育領域のサービスも手がけています。
──ありがとうございます。お二方のこれまでのキャリアと現在の業務内容についても教えてください。
久志本様: 私は2020年に新卒で入社し、「エン転職」の法人営業を2年間経験した後、社内公募を利用して人財戦略室へ異動しました。新卒採用の担当を経て、直近の1年間は中途採用グループで主にエンジニア採用を担当しています。契約社員の採用も兼任しています。
高橋様: 私は2017年に中途入社しました。久志本と同様に最初の5年間は「エン転職」の法人営業を担当し、チームリーダーも経験しました。その後、社内異動で中途採用グループへ配属となり、現在はマネージャーとして、正社員や契約社員を含めたさまざまなポジションの中途採用の統括をしています。
当社は「入社後活躍」という考えを大切にしており、自社の採用においても候補者との丁寧なマッチングを大切にしています。
AI面接導入の背景
リソースが逼迫する採用現場。抜本的な「業務効率化」が至上命題だった
──AI面接の導入前は、採用プロセスにおいてどのような課題があったのでしょうか。
高橋様:AI面接を導入した直接的なきっかけは、現場からの契約社員の採用オーダーが急増したことです。担当の久志本は正社員採用も兼務しており、対応できる人事のリソースが圧倒的に不足していました。担当の久志本は正社員採用も兼務しており、対応できる人事のマンパワーが圧倒的に不足していました。急速に膨らむ採用業務の中で、このリソース不足を解消し、メンバーが健全に働ける環境を取り戻すことが急務でした。
採用工数を大幅に削減しながらも、採用の質や充足率は落とせない。そんな状況のなかで着目したのがAI面接でした。久志本にプロジェクトリーダーを任せて、導入を進めてもらいました。

──数多くの採用オーダーに対して、当初はどのように対応されていたのですか。
高橋様:それまでは人事が一次面接、現場が最終面接を担当していましたが、人事の工数不足から、数の多い一次面接を現場に依頼し、最終面接を人事が行うという逆のフローにせざるを得ませんでした。しかし、これは本質的な解決策ではなく、現場の負担も大きくなります。また、面接に慣れていない社員もいるため、評価基準にばらつきが出てしまう懸念もありました。
そこで、AI面接を人事面接の代替とし、通過者に対して現場担当者の面接を案内するというフローに変更しました。
※AI面接の内容は人事が確認し、合否判断を実施しています
──久志本様は、プロジェクトリーダーとしてどのような思いで導入を進めていたのでしょうか。
久志本様:当時は、数多くの面接に対応する現場の担当者に加えて、日程調整を行う採用アシスタントにも相当な負担がかかっている状況でした。「全員が健全な状態で仕事を進められるようにしたい」という思いで進めていました。

エピソードの深掘りやアトラクトに時間を割き、採用CXを向上させたかった
──貴社では、一部の職種の中途採用(正社員)でもAI面接を活用されていますが、契約社員採用のフローや導入目的に違いはありますか?
高橋様:はい。「工数削減」が主な目的の契約社員採用に対して、正社員採用では「採用CX(候補者体験)の向上」を目的としています。選考フローとしては、「AIプレ面接→面接2〜3回」という流れにしています。これまで通り一次面接は人事が行うのですが、事前にAI面接で得た情報を活用して面接の質を高めるのが狙いです。
AI面接で候補者の情報を事前に把握することで、エピソードの深掘りや、候補者の意欲を高めるアトラクト(魅力づけ)に時間を使えるようになりました。
──AI面接の導入にあたって、懸念はありましたか?
高橋様:対人の面接に加えてAI面接を受けていただくことになるため、導入前は候補者の反応を懸念していました。しかし、AI面接の案内の際には「当社が大切にしている『入社後活躍』という考え方に基づき、お互いのことをより深く理解し、入社後のミスマッチを防ぐために、AIと人の両方で面接をさせていただきます」とお伝えしています。目的を丁寧に説明していることもあり、候補者の方からは、むしろポジティブな反応をいただいています。
導入後の効果
1日100分かかっていた日程調整が不要に。土日の面接が可能になり機会損失も防げる
──AI面接導入後の効果について教えてください。まず、工数削減を目的とした契約社員採用についてはいかがですか?
久志本様:人事の一次面接がAI面接に置き換わったことで、これまで1名の候補者にかけていた時間で3〜4名ほど対応できるようになりました。アシスタントが1日100分程度かけていた日程調整業務もなくなり、この効果も非常に大きいです。採用業務全体として工数が半分以下になったという実感があり、アシスタントも2名体制だったところを1名で対応できるようになりました。
──採用充足率に関してはいかがでしょうか。
久志本様:工数を大幅に削減しながらも、採用目標はしっかりと満たせている状況です。
また、契約社員採用の場合、主婦の方をはじめ、平日日中の都合がつきづらい候補者の方もいらっしゃいます。AI面接なら24時間面接を受けられるため、「土日に面接を受けられて助かった」という声もありました。機会損失を防ぐという意味でもメリットがあったと考えています。
深掘り質問が増えて候補者体験が向上。録画データをもとに別ポジションの提案も
──正社員採用においては、先ほど「候補者からポジティブな反応があった」というお話もありましたが、具体的にどのような反応があったのでしょうか。
高橋様:アンケートでは「AI面接で伝えた内容を踏まえて一次面接で深掘り質問してもらえたので、自分のことをしっかり理解しようとしてくれていると感じた」などの好意的な声をいただきました。候補者の満足度向上に繋がり、非常に嬉しく思っています。「AI面接は珍しく、楽しめた」といった声もいただいており、新しい選考体験として前向きに受け止めていただいているようです。
また、AI面接を導入することで、書類だけでは伝わりきらない候補者の魅力やポテンシャルを発見できることがあります。「書類から想定していたよりも当社にマッチする方だった」というケースも出てきました。当社が掲げる「入社後活躍」を、より大事にする採用ができるようになったと感じています。
今後の展望
他職種の採用にもAI面接を展開。さらなる効率化&候補者体験向上を目指す
──最後に、今後のAI面接の活用方針を教えてください。
高橋様:現状は契約社員採用や一部の中途採用での活用がメインですが、今後は営業職をはじめ、中途採用の全ての職種へ導入を拡大していきたいと考えています。また、工数削減のために、正社員の採用においても一次選考をAIに任せ、その後の現場担当者との面接に人事も一緒に入る、という形式も検討しています。ただ、AI面接に慣れていない候補者の方も多いので、徐々に職種を広げながら検証していくつもりです。
──貴重なお話をありがとうございました。
