2025.06.13

採用動画の効果とは?企業事例や映像制作のコツを紹介

採用動画の効果とは?企業事例や映像制作のコツを紹介

入社後のミスマッチを防ぐためには、職場の雰囲気や仕事内容などをリアルに求職者に伝えることが大切です。そのための手段として、採用動画を制作する企業が増えています。

採用動画はさまざまなシーンで活用できるため、これから導入を検討している企業は多いでしょう。

この記事では、採用動画を活用するメリットや制作のコツ、具体的な事例などを解説します。

採用動画とは

採用動画とは、企業が事業内容や仕事内容、職場の雰囲気などを動画でまとめたものです。テキストだけでは伝わりにくい自社の特徴について、求職者に理解を深めてもらう目的で制作されます。

従来は、企業が自社について知ってもらうための媒体としては、会社案内やチラシなどのテキスト媒体が中心でした。しかし、テキストのみでは仕事内容や会社の風土、社員の働きぶりなどを深く知ることは難しく、採用後にミスマッチが生じることが多くありました。

そこで、テキスト媒体の弱点を補える手段として注目されているのが採用動画です。自社の特色や強みを効率的に求職者に訴求できる点が特徴です。

採用動画を活用する効果やメリット

「他社との差別化をはかりたい」「より多くの求職者に訴求したい」などの考えから、多くの企業が採用活動に動画を導入しています。採用動画を活用する効果や具体的なメリットは、以下のとおりです。

  • 短時間で多くの情報が伝わりやすい
  • 入社後のミスマッチを防げる
  • 会社説明の場所を選ばない

それぞれについて、詳しく解説します。

短時間で多くの情報が伝わりやすい

動画はテキストよりも短時間で、より多くの情報を伝えられます。人間は日常的に多くの情報を目や耳から得ており、動画はテキストの5,000倍もの情報を伝えられるともいわれています。

テキストと比較すると動きや音があるため、印象に残りやすいことも特徴の一つです。動画内の演出を工夫することで、企業が伝えたいポイントをより効果的に求職者へ伝えられるでしょう。テキストよりも気軽に閲覧できるため、繰り返し見てもらえる可能性も高まります。

入社後のミスマッチを防げる

テキスト媒体と比較し、動画のほうがリアルに近い情報を提供できるため、入社後のミスマッチ防止につながります。職場の雰囲気や働き方、社員の服装、会話の仕方などの詳細は文章だけで伝えることは困難です。動画であればこれらを詳しく伝えられ、入社後のイメージがつきやすくなります。

入社前に社内の様子をリアルに把握できることから求職者の不安が軽減され、志望度が高まる効果も期待できるでしょう。

会社説明の場所を選ばない

採用動画は、インターネット環境さえあればどこからでもアクセスできます。そのため、会場を用意して、会社説明会を開催する必要がありません。

従来は、自社内や外部会場で会社説明会を開催したり、就職活動イベントに出展したりするなど、対面で行う採用活動が主流でした。求職者は開催場所まで足を運ばなければならず、遠方に住む求職者にとっては参加自体が高いハードルとなっていました。

採用動画であればどこにいても閲覧でき、より多くの求職者に情報を届けることが可能です。一度動画を制作すれば自社サイトやSNSなど、多様な媒体を通じて発信できるため、これまで情報を届けられなかった求職者にも幅広く情報を伝えられるでしょう。

近年の採用動画のトレンド

採用動画にもトレンドがあり、単に社内の様子を撮影して提供すればよいというものではありません。求職者が求める内容に沿ったコンテンツに仕上げることが大切です。

求職者が就職にあたって不安に感じやすいポイントは、実際の職場の雰囲気や人間関係、労働環境などです。現場で働く社員の本音が聞けるような内容であれば、求職者に訴求しやすいでしょう。社員紹介や1日の仕事の流れの紹介、インタビュー動画などを取り入れると、効果的に社内の様子が伝えられます。

映像のなかにクリックボタンを設置し、視聴者のクリックによって異なるストーリーが展開されるインタラクティブ動画も注目です。視聴者の積極的な参加を促すことにより、より記憶に残りやすくなります。

効果的な採用動画の事例

採用動画を制作する際は、他社の成功事例を参考にするとよいでしょう。トレンドを取り入れた採用動画の事例として、以下の2社をご紹介します。

  • アルティウスリンク株式会社
  • 株式会社NTSロジ

それぞれについて詳しく解説します。

アルティウスリンク株式会社

KDDIと三井物産の共同出資により誕生したアルティウスリンク株式会社は、コールセンターサービスを中心に、デジタルBPOを推進する企業です。

自社の採用ホームページ内で、育休復帰後のエンジニアの働き方を紹介する動画や、現場社員の声を届ける座談会形式の動画を提供しています。出産後に長く働き続けられる環境があるかどうかは、求職者が事前に知りたい情報の一つでしょう。動画で1日の流れを伝えることで、求職者が入社後のイメージをリアルに描くことができます。

また、若手社員を中心とした座談会形式のインタビュー動画を提供することで、組織風土や社内の人間関係などが伝わりやすい内容に仕上がっています。

参照:アルティウスリンク株式会社|動画一覧

株式会社NTSロジ

株式会社NTSロジは、首都圏の物流サービスをトータルで提供する「NTSグループ」の一つです。自社の採用ホームページ内で、会社説明の動画だけでなく、経営者を含む社員の紹介動画を制作し、提供しています。社員が登場するTikTok動画なども配信し、SNS世代に訴求する内容です。

動画に登場する若手社員には、「TAP」と書かれたタグがついています。これをクリックすると、該当社員のインタビューに動画が切り替わる仕組みを取り入れていることが特徴的です。求職者が興味のある情報に積極的にアクセスできる工夫がなされています。

参照:株式会社NTSロジ|首都圏のスピーディーな定温輸送はNTSロジ「求人案内」

効果的な採用動画を制作するコツ

採用動画は、求職者の興味関心に沿った内容にすることがポイントです。制作のポイントは、以下のとおりです。

  • 動画のコンセプトを明確にする
  • 採用動画を配信する場面を決める
  • 自社の強みを洗い出す

それぞれについて、詳しく解説します。

動画のコンセプトを明確にする

まずは、動画のコンセプトを明確にすることが大切です。何を目的に、誰に対してどのような情報を発したいのか、言語化して整理しましょう。

例えば、中途採用を強化したいにもかかわらず、学生向けの情報で構成された動画を制作してしまうと、ターゲットに訴求できず中途半端な印象を与えてしまうかもしれません。

コンセプトを具体化したうえで、事業内容の紹介や社員のインタビュー動画、社員の働き方紹介など、動画の具体的な内容を検討していきます。

採用動画を配信する場面を決める

動画のコンセプトが決まったら、会社説明会やインターンシップなど、採用動画を配信する場面を決めます。

例えば、会社説明会で配信する動画の場合、求職者はまだ企業について多くの情報を得ておらず、「基本的な事項を網羅的に知りたい」というニーズが高いことが想定されます。そのため、企業概要や事業内容などに多くの時間を割く必要があるでしょう。

一方で、インターンシップの参加者向けの動画の場合は、すでに企業について知識を得たうえで参加している場合が多いと想定されます。社員のインタビュー動画など、実際に働くイメージが持てるような内容が必要です。

YouTubeで動画を配信する場合は、「よりリアルな情報を知りたい」というニーズに応えるために、社内の様子や1日の仕事の流れなどを中心に構成するとよいでしょう。若年層に積極的にアプローチしたいニーズがある場合は、SNSとの親和性が高い縦型のショート動画の作成も視野に入れる必要があります。

自社の強みを洗い出す

自社の強みを洗い出すことも、効果的な動画を制作するために必要なステップです。求職者に興味を持ってもらうためには、「事業内容に将来性がある」「風通しのよい社風である」「スキルアップできる環境が整っている」など、他社と比較して自社が優れているポイントをアピールする必要があります。

求職者にとって理想的な内容だけではなく、リアルな現状を伝えることも入社後のミスマッチを防ぐために大切なことです。「給与水準が高いが、そのぶん結果を求められる」など、事実を正確に伝えるようにしましょう。

採用動画の制作を専門会社に依頼した場合の費用相場

採用動画の制作費用は撮影の規模によって異なりますが、インタビュー撮影のみの場合は10万〜30万円、社内の様子も撮影する場合は30万〜80万円程度が相場です。撮影期間が数日に及ぶ場合は、80万〜200万円くらいかかる場合があります。撮影の規模が大きくなるほど制作期間も長くなるため、スケジュールには注意しましょう。

採用動画の多くは実写であり、アニメーション動画と比較すると費用がかかる傾向にあります。費用はかかるものの実写の方が職場の雰囲気がダイレクトに伝わりやすく、実際に働く姿をイメージしやすい点がメリットです。動画にCG処理をしたりテロップをつけたりすると、さらに費用がかかるでしょう。

採用動画の制作費を抑えるためのポイント

採用動画の制作費用を抑えるポイントは、以下のとおりです。

  • 動画の尺を短くする
  • 出演者は自社の社員のみにする
  • 撮影場所は自社オフィス内のみとする

動画の尺を短くすることで、撮影時間や編集作業の時間を短縮でき、撮影スタッフの人数も絞ることができます。結果として、費用を抑えることが可能です。

プロの演者に出演を依頼すると、キャスティング費用がかかります。そのため、自社の社員に出演してもらい、キャスティング費用を節約する方法がおすすめです。実際に働いている社員が出演することで、社内の雰囲気がより伝わりやすくなるというメリットもあります。

さらに撮影場所を自社オフィス内のみとすれば、撮影場所のレンタル費用を抑えることが可能です。

まとめ

採用動画は、短時間で多くの情報を求職者に届けることができます。インターネット環境さえあればどこからでもアクセスできるため、採用活動における強力なツールとなるでしょう。

効果的な採用動画を制作するためには、いくつかのポイントがあります。ターゲットを明確に定め、ターゲットに訴求する内容に仕上げることが大切です。採用動画の制作には費用がかかりますが、工夫次第で費用を抑えて効果的な動画を作ることができます。

この記事を担当した人

PeopleX コンテンツグループ

人事・労務・採用・人材開発・評価・エンプロイーサクセス等についての用語をわかりやすく解説いたします。

これまでに出版レーベル「PeopleX Book」の立ち上げ、書籍『エンプロイーサクセス 社員が成功するための7つの指針』の企画・編集、PeopleX発信のホワイトペーパーの企画・編集などを担当しました。

株式会社PeopleXについて
エンプロイーサクセスHRプラットフォーム「PeopleWork」の開発・運営をはじめとした、新しい時代に適合したHR事業を幅広く展開する総合HRカンパニーです。

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