株式会社Hakuhodo DY ONE 導入事例
面接の離脱率を25%から10%以下へ改善。「生活者発想」の企業が選んだ、最も人間らしい採用DX。
左から
株式会社Hakuhodo DY ONE 経営管理本部 人材開発局 部長 宇野氏
株式会社Hakuhodo DY ONE 第一経営管理本部 人材開発局 局長 布山氏
- 導入の背景
- インターン・新卒採用で導入していた「録画面接」の動画確認に、年間約500時間もの工数が発生。また、動画を撮影し送付する手間から約25%の学生が選考から離脱しており、機会損失が大きな課題となっていた。
- 導入後の効果
- 選考工数を約400時間削減。24時間いつでも受験できる利便性により、選考離脱率が25%から10%以下へと劇的に改善。学生からも「公平性がある」と好評を得ている。
- 社名
- 株式会社Hakuhodo DY ONE
- 業種
- インターネット・サービス
- 従業員数
- 3001名〜
- エリア
- 関東
導入の背景
「生活者発想」の企業が直面した、採用効率化のジレンマ
博報堂DYグループの「デジタルコア」として、デジタルマーケティングを牽引する株式会社Hakuhodo DY ONE。同社は、数千名規模の応募が集まる企業でありながら、採用活動においては「効率化」と「候補者への誠実な向き合い」のバランスに悩んでいた。
これまで導入していた「録画面接」では、学生が投稿した約10分間の自己PR動画を、社員2名体制で全て目視確認していた。
宇野氏:「学生1人の合否を決めるのに、動画視聴を含めて20分はかかります。インターンだけで500人、本選考を含めるとさらに増える。単純計算でも年間500時間近くを動画チェックに費やしていました」
さらに深刻だったのは「離脱率」の高さだ。「動画を撮って送る」という心理的・物理的ハードルにより、応募の意思はあるものの、約25%の学生が選考を辞退していたのだ。
布山氏:「効率化はしたい。でも、我々は『生活者発想』を掲げるなかで、人を大切にしたい。AIに面接を任せることで、当社の企業イメージが損なわれるのではないか?そんな葛藤が社内にはありました」

導入の決め手
決め手は「人を感じる温かみ」
そんな中、出会ったのがPeopleXのAI面接だった。複数のAI面接サービスを比較検討する中で、同社が最も重視したのは「人間らしさ」が感じられる候補者体験の良さだった。
布山氏:「他社のサービスも拝見しましたが、静止画だったり、無機質なものが多かった。しかし、PeopleXのAI面接はアバターを活用し、一定の対話感が確保されていました。さらに、固定化された質問だけでなく、学生の回答に応じて深掘り質問を柔軟に投げかけてくれる点に大きなバリエーションを感じ、それが導入の決め手となりました。」
デジタルネイティブであるZ世代の学生にとって、ゲームやVRのアバターは馴染み深い存在だ。むしろ、無機質なシステムよりも、アバターが相手をしてくれる方が緊張せずに素を出せるのではないか。そんな仮説のもと、PeopleX AI面接の導入と面接官のハイブリッド評価で透明性を確保しながら、最終決定は人がおこなう仕組みを担保した採用プロセスの高度化を図ることを決断された。
導入後の効果
選考工数を400時間削減。離脱率は驚異の10%以下へ
導入の効果は、予想を遥かに上回るものだった。
まず、最大の課題だった工数は劇的に削減された。
宇野氏:「これまでの500時間が、AIによるスクリーニングと確認作業だけになり、おそらく50〜100時間程度に収まっています。約400時間の削減です。」

そして、懸念されていた学生の反応も好意的だった。24時間365日、スマホさえあればいつでも受験できる手軽さは、多忙な就活生にとって大きなメリットとなった。
宇野氏:「録画面接時代に25%あった離脱率は、AI面接導入後、10%以下にまで下がりました。受けている時間をデータで見ると土日や深夜に受験している学生も多く、機会損失を確実に防げていると実感しています」
今後の展望
テクノロジーと人間味が融合した、次世代の採用活動を追求
AI面接の導入は、効率化だけでなく「公平性」という新たな価値も生み出した。
布山氏:「学生に対しては『AIだからこそ、面接官の当たり外れやバイアスがなく、全員同じ基準で公平に見てもらえる』と説明しています。これが非常にポジティブに受け入れられました。AIでフラットに評価し、その後の選考で社員がじっくりと人物面を見る。この役割分担が上手く機能しています」
将来的には、AIの評価スコアと適性検査の結果など蓄積されたデータを活用し、入社後の活躍予測や、業界平均と比較したフィードバックなど、AIならではの機能を拡張していく構想も検討していきたいという。
布山氏:「AI面接は、単なる効率化ツールではありません。学生にとっても、企業にとっても、より納得感のある幸せなマッチングを実現するためのパートナーです。今後はこのモデルを、中途採用や他の領域にも広げていきたいですね」
株式会社Hakuhodo DY ONEの挑戦は、テクノロジーと人間味が融合した、次世代の採用活動のあり方を提示している。
