2025.10.03

AI面接の質問例と自信をもって対応するための面接対策を解説

AI面接の質問例と自信をもって対応するための面接対策を解説

人が行う面接よりも公正な評価を目指し、AI面接を導入する企業が増えています。時間や場所を問わず面接を受けられるため、学業やアルバイトが忙しくても面接を受けやすい点がメリットです。

AI面接で自分が伝えたいことをきちんと伝えるためには、AIが分析しやすい話し方を意識することが、重要です。この記事では、AI面接でよく尋ねられる質問の傾向と具体的な回答例のほか、自信をもって面接を受けるためのポイントを解説します。

AI面接とは

AI面接とは、AIによる評価を取り入れた面接手法であり、「録画型」と「対話型」の2つに大別されます。それぞれの特徴は以下のとおりです。

  • 録画型:応募者が回答する様子を録画して、録画映像や回答内容をもとにAIが評価する。面接のやり直しが可能なことが多い
  • 対話型:AIが面接官となって面接を行う。やり直しはできないことが多い

録画型と対話型では、質問の傾向が異なります。AI面接の対策を行う際には、面接がどちらのタイプなのかを可能な範囲で確認しておきましょう。

AI面接の質問内容と回答例

AI面接での質問は、比較的スタンダードなものが多いため、業種や職種を問わず、頻度が高い質問には確実に答えられるように準備をしておきましょう。とくに問われやすい内容について、回答例とあわせて解説します。

ガクチカ

ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)は、頻出質問のひとつです。AI面接では、問題解決能力や問題解決の意欲を評価されます。力を入れた理由や困難だったこと、困難を解消するための工夫なども回答できるように準備しましょう。

ガクチカに関連した、よくある質問と回答例を紹介します。

Q.学生時代に力を入れて頑張ったことを教えてください

【回答例】

私が学生時代に力を入れたことは、ゼミでの共同研究です。私は、ゼミのメンバーと共同で、地方都市での高齢化と社会福祉のあり方について研究を行いました。

実際に自治体の方にお話を聞く機会をいただき、地域ごとの課題や困難をお聞きしました。自治体の方は非常にお忙しいため、事前に質問内容をまとめ、メールでお送りしました。また電車が遅延した場合でも約束の時間に間に合うよう、余裕をもった工程で行動しました。

このような準備のおかげで、短い時間の中でも有意義なお話を伺えました。また実際に課題解決に携わっている方のお話を伺うことで、お互いの立場や意見の違いを調整することの重要性を改めて実感しました。

Q.高い目標に向かって努力した経験はありますか?

【回答例】

私は中国語検定の2級合格を目指して努力しました。中国語検定の2級は覚えるべき単語が非常に多く、毎日帰宅後にテキストを読むだけでは学習時間が足りませんでした。そのため単語アプリを使って、アルバイトの休憩時間や授業と授業の間といった隙間時間にコツコツと単語を覚えました。また、中国人留学生の友人にも協力してもらい、違和感のない発音や作文を習得することに努めました。

このような努力の結果、中国語検定2級に合格できました。この経験を通して、忙しい中でも工夫をすることで、必要な時間を確保でき、目標を達成できることを学びました。

Q.諦めそうになったことはありますか?

【回答例】

はい。私は塾講師のアルバイトをしていましたが、生徒の成績が伸び悩み、生徒のやる気のせいにしてしまいそうになったことがあります。

ほかの先生方に相談した結果、宿題の量を出しすぎていたことや、生徒が質問しにくい雰囲気を作ってしまっていたことに気付きました。まずは学習への苦手意識を克服するために、宿題の量を調整しました。また同じ質問でも丁寧に答えることを心がけ、例示や図解などさまざまな方法で説明するようにしました。

その結果、生徒が前向きに学習に取り組めるようになり、苦手科目でも平均点以上をとれるようになりました。

強み・経験

強みや経験は、具体的なエピソードや背景を伝えて説得力を持たせることが重要です。「なぜそれを強みだと感じているのか」、また「何を感じ、どのように行動したのか」を話せるように準備しましょう。

強み・経験に関連した、よくある質問と回答例は以下のとおりです。

Q.あなたの強みを発揮して成功した経験はありますか?

【回答例】

私の強みは、課題解決力です。この強みを発揮して、学園祭での集客の課題を解決しました。

私は学園祭の実行委員をしていましたが、目立たない場所で出展する店舗に来場者が足を運んでくれないという課題がありました。そこで、例年集客が多い模擬店を等間隔に配置し、人の流れが途切れないように工夫しました。

また、宝探しイベントを提案し、会場内を楽しく移動してもらえるようにしました。さらに出入り口から遠い場所にもカフェエリアを設置し、来場者に長時間滞在してもらえる会場づくりに努めました。

この結果、ほぼすべての模擬店で売り上げがアップしました。課題に対して適切な対策をとることで、成果が出せることを実感しました。

Q.突発的なトラブルに対処した経験はありますか?

【回答例】

学園祭で飲食店を出店した際に、商品の在庫切れが発生したことがあります。当初の想定よりも売れ行きが良かったことが原因でした。

当日はすぐに商品の追加分を準備するとともに、時間帯別に整理券を発行して対応しました。また、翌日以降は同様のトラブルが起きないよう、開店前の仕込みの数を大幅に増やしました。

その結果、2日目からは品切れを起こすことなく、ご来店の皆様に喜んでいただけました。

Q.自分の意見が採用されなかった経験はありますか?

【回答例】

はい。部活の合宿スケジュールについて、自分の意見が採用されなかった経験があります。私は吹奏楽部に所属しており、合宿では技術向上のため練習に集中すべきだと考えていました。しかし、他の部員は親睦の時間も重視したいと主張しました。

当初は納得がいきませんでしたが、話し合いを重ねる中で、今の吹奏楽部には信頼関係やチームワークが足りていないという視点に気づかされました。

そして実際に親睦の時間を通して、普段はできない交流ができ、部員間の信頼が深まりました。練習中の雰囲気も良くなり、これまで以上に演奏に一体感が生まれたように感じました。

この経験から、自分の意見に固執せず、ほかの人の意見も取り入れることで新しい視点を得られると学びました。

志望動機

AI面接では、過去の経験を問う質問が多く見られますが、企業独自の質問として志望動機を問われることもあります。このような質問は、基本的に一問一答形式です。一度の回答で、志望する根拠や入社後の展望など、必要なことを過不足なく伝えられるようにしましょう。

志望動機に関連したよくある質問と回答例も紹介しますので、参考にしてください。

Q.当社を志望した動機を教えてください

【回答例】

私が御社を志望する理由は、お客様のために迅速な保険給付を実現している姿勢に感銘を受けたからです。

私の実家がある地方では、昨年大きな水害がありました。地元にいる友人は被災しましたが、御社からの保険給付が非常に早く、生活面で安心したという話を聞きました。

日本は地震や台風が多く、今後も大きな災害は避けられません。そのようなときに、人を助けることのできる仕事をしたいと思い、御社を志望いたしました。

Q.希望の職種はありますか?

【回答例】

私は、営業事務職を希望します。御社の採用ホームページで、営業事務職と営業職との協力体制の重要性についての記事を拝見いたしました。その中で、事務職は表に出ることは少ないものの、営業活動が円滑に運用されるための重要なポジションであるという考えに感銘を受けました。

アルバイトで在庫発注や請求業務に携わり、正確さとスピード感を求められる業務に面白さとやりがいを感じました。自分の適性を生かして周囲の人々の役に立ちたいと思い、営業事務職を志望します。

企業独自の質問

AI面接ではAIが用意している質問のほか、企業が独自に設定している質問もあります。たとえば、志望度や自社への関心を裏付ける質問として、企業理念や事業内容などを問われる可能性があります。

このような質問は、企業研究をしていないと答えるのが難しいでしょう。人による面接と同様、対応できるように準備をしておきましょう。

AI面接の特徴

AI面接も人間による面接と同じく、基本的に質問と応募者からの回答によって進行します。しかし、質問の傾向が人間の面接官とは異なります。特徴に合わせた対策をとり、面接突破につなげましょう。

タイプによって質問スタイルが違う

AI面接には「対話型」と「録画型」の2つのタイプがあり、それぞれ質問スタイルが異なります。

  • 対話型:ひとつの質問を深堀りされる。あいまいな回答をすると「もう少し具体的に教えてください」など、理由や背景を問われる。
  • 録画型:一問一答形式で質問される

予定している面接が対話型の場合は、基本的な質問への回答とあわせて、理由や背景などエピソードを具体的に整理しておきましょう。

録画型の場合は、質問に対して簡潔に答えることを意識しましょう。AIに正確に内容を理解させるためには、短い文章で過不足なく伝えることが重要です。

過去の経験を問う質問が多い

AI面接では、将来のキャリアビジョンや希望職種など未来のことよりも、過去の経験について問われる質問が多い傾向があります。これは応募者の問題解決能力や論理的思考を評価する際に、過去の経験をもとにしたほうが分析しやすいとされているためです。

また、過去の失敗や困難への対処法は、応募者の考え方や価値観を知る材料になります。入社後に先輩社員や会社の雰囲気となじめるかどうかを判断するためにも、過去の経験に関する質問が有効です。

AI面接の話し方のコツ

AI面接では、AIに理解しやすい話し方をすることで、自分の伝えたいことを的確に伝えられます。AIに理解しやすい話し方といっても、ポイントは人間を相手にした場合とほとんど変わりません。以下の3点をとくに意識しましょう。

  • 結論から論理的に話す
  • 具体的に話す
  • 簡潔に話す

上記のポイントを踏まえ、OK例とNG例で話し方のコツを解説します。

結論から論理的に話す

論理的に構成された話は、AIにとって話の要点を理解しやすいため、回答者の実績や熱意がしっかりと伝わります。また、質問に対する回答が伝わりやすくなるよう、結論から話すことを意識しましょう。

論理的な話し方の方法論には、STAR法やPREP法があります。

STAR法

  • S:Situation(状況)
  • T:Task(課題)
  • A:Action(行動)
  • R:Result(結果)

PREP法

  • P:Point(結論)
  • R:Reason(根拠)
  • E:Example(具体例)
  • P:Point(結論)

これらの方法に従って話を構成すると、論理展開がスムーズになり、要点を伝えやすい文章が作成できます。

PREP法は、自分の主張を相手にわかりやすく伝えられるため、自己PRや自分の強みを説明する際に効果的です。一方、STAR法は課題解決や実績の説明に向いているため、挫折や成功体験を回答する際に役立ちます。

「学生時代に壁にぶつかったことはありますか?」という質問に対する、NG例とSTAR法を使った改善例を紹介します。

【NG例】

私は学生時代にボランティアサークルに所属しており、ごみ拾いや学童保育のお手伝いなどたくさんの活動をして、人の役に立つことにやりがいを感じていました。ボランティアは地域の人とも絆を深められる素晴らしい活動です。

私は新入部員を集めるために、SNSで活動の様子をたくさん発信しました。なぜかというと新入部員が少なかったからです。その結果、狙い通りに新入部員が増えました。ほかにも短時間の活動を増やしたことも良かったです。これらのことから伝え方が大切であると学びました。

【STAR法を活用した例】

(状況)私が学生時代にぶつかった壁は、ボランティアサークルのメンバーが思うように集まらなかったことです。

(課題)社会的意義のある活動なので人気があるだろうと考えていましたが、ボランティアは肉体的に大変そうというイメージがあり、初心者にとって参加ハードルが高いという課題がありました。

(行動)そこで私は、活動スケジュールや参加者の様子をSNSで発信し「自分でもできそう」と思ってもらうことを意識しました。また、ボランティア体験イベントとして、大学近隣で行う短時間の活動を増やし、参加しやすさをアピールしました。

(結果)その結果、ボランティア体験イベントをきっかけにサークルへの入部も増え、活動の幅も広がりました。この経験を通じて、伝え方の工夫の大切さを学びました。

OK例では、STAR法の流れに沿って構成されているため、課題と解決策、結果までの流れが理解しやすい構成です。NG例では、取り組みや課題の内容はOK例とほぼ同じですが、話の流れが整っていません。また、ボランティアへの熱意が最初に多く語られているため、本来伝えたい「困難についての内容」が伝わりづらくなっています。

具体的に話す

具体性のある回答はAIが理解しやすく、正確に評価されやすい傾向があります。回答には、数字や具体的なエピソードを盛り込みましょう。回答内容があいまいな場合は、追加質問を受けることもあります。

【NG例】

私はアルバイトをしていたコンビニエンスストアでは廃棄が多く発生していたため、販売個数の予測を立てて、廃棄個数を減らすよう努力しました。実際に廃棄個数が減ったので、会社から表彰を受けました。

【OK例】

私がアルバイトをしていたコンビニエンスストアでは、廃棄が多く発生していました。私は廃棄数削減について店長から相談を受け、気温や時間帯と販売個数をExcelで独自に集計しました。そして、分析結果をもとに、店長に過不足のない発注数の目安を提案しました。私の提案は採用され、その結果、廃棄率が10%減少しました。この成果によって、会社から表彰を受けました。

OK例では「どのような対策を行ったか」「どのくらいの成果があったか」を具体的に説明しています。成果や取り組みを数値で表すことで、効果を客観的に示せます。。

簡潔に話す

主旨が伝わるように、簡潔に話すことを心がけましょう。AIは、応募者が話したことをテキストに変換して評価します。だらだらと要領を得ない文章は、要点が伝わらない可能性があります。

「どのようなときに喜びを感じますか?」という質問に対するNG例とOK例を紹介します。

【NG例】

私は学園祭のイベントを準備した際に準備期間が2週間しかなかったのですが、20名のメンバーと役割を分担して企画を成功させたときに、他の人と協力して目標を達成することに喜びを感じました。

一人では達成できなかったと思いますが、全員で協力できたことが自分のやりがいになりましたし、無事に企画が成功したこともうれしかったです。

【OK例】

私は、ほかの人と協力して目標を達成したときに喜びを感じます。その思いを実感したのが、学園祭で有名人を招いたトークイベントでの準備でした。イベントに向けて、20名のメンバーと協力して準備を行いました。

その結果、無事にトークイベントは成功し、多くの来場者に楽しんでいただけました。個人だけでは成しえないことでも、チームで協力すれば達成できることに喜びと達成感を感じました。

OK例では「どのようなときに喜びを感じますか?」という問いに対し、「〇〇というときに喜びを感じます。」という短い文章で結論から述べています。その後の回答も、短い文章に区切っており、論点が伝わりやすい回答です。

AI面接で失敗しないための注意点

AI面接で注意すべきポイントは、話し方や話の構成だけではありません。人間の面接官による面接と同じく、注意点は、以下の2点に留意しましょう。

  • わからない質問に慌てて答えない
  • 表情や動作にも気を配る

それぞれ詳しく見ていきましょう。

わからない質問に慌てて答えない

わからない質問や準備していない質問が来ても、慌てず落ち着いて答えましょう。すぐに答えようとしてあいまいな回答をするよりも、多少間が開いても論理的に整理された回答をしたほうが、回答の意図が正しく伝わります。

AI面接では目の前に人がいないため、視線を気にせず自分のペースで進めやすい点が利点です。「少し考えさせてください」など、ひとこと添えていったん深呼吸すると、冷静に考える余裕が生まれます。

表情や動作にも気を配る

AI面接では回答内容だけでなく、表情や動作といった非言語コミュニケーションも評価対象です。

AIは応募者の視線や動きから、感情や性格、ストレス耐性、コミュニケーション能力など、さまざまな要素を分析しています。服装を整え、自然な表情と適切な姿勢を意識して面接に臨みましょう。

まとめ

AI面接は、過去の経験を問う質問が中心です。「録画型」か「対話型」かにより、質問の傾向は異なります。どちらのタイプで面接が行われるのかを事前に確認しておくと、対策を立てやすいでしょう。

さらに、人間の面接官による面接と同じく、伝わりやすい話し方を意識することも重要です。AIが相手だからと気を抜かず、面接官が目の前にいるつもりで面接に臨みましょう。

この記事を担当した人

PeopleX コンテンツグループ

人事・労務・採用・人材開発・評価・エンプロイーサクセス等についての用語をわかりやすく解説いたします。

これまでに出版レーベル「PeopleX Book」の立ち上げ、書籍『エンプロイーサクセス 社員が成功するための7つの指針』の企画・編集、PeopleX発信のホワイトペーパーの企画・編集などを担当しました。

株式会社PeopleXについて
エンプロイーサクセスHRプラットフォーム「PeopleWork」の開発・運営をはじめとした、新しい時代に適合したHR事業を幅広く展開する総合HRカンパニーです。

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