2025.07.31
面接練習の必要性は?一人でできるやり方や頻出質問、チェックポイントを解説

面接練習は、就職・転職活動をスムーズに進めるための重要な対策の1つです。
この記事では、一人でもできる面接練習のやり方と頻出質問、面接練習でのチェックポイントやAI面接の活用法を解説します。
「自信を持って面接に臨みたい」「採用につながる受け答えを身につけたい」と考えている方は、ぜひ参考にしてください。
一人でもできる!面接練習のやり方
面接練習には、面接官役が必要だと考えている方もいるかもしれません。しかし、ここで紹介する方法であれば、一人でも面接練習ができます。
面接練習の基本ステップは、以下のとおりです。
- 回答を準備する
- 時間を計測しながら、声に出して答える
- 記録を確認して振り返る
一人での面接練習は、時間や場所に縛られず、自分の好きなタイミングでできるといった手軽さが魅力です。具体的なやり方を確認し、効果的な面接練習を実施しましょう。
回答を準備する
面接練習の1つ目のステップは、想定される質問への回答準備です。よく出る質問をピックアップし、質問の意図を考えながら回答を準備しましょう。
回答は、必ずしも文章にまとめる必要はありません。要点を箇条書きやメモ形式で整理しておきましょう。
回答をまとめる際のポイントは、結論を先に述べることです。最初に最も伝えたいポイントを入れることで、伝わりやすく、論理的な印象を与えることができます。
時間を計測しながら、声に出して答える
回答が準備できたら、実際に声に出して練習してみましょう。スムーズに答えられるようになったら、回答時間を計測します。
面接で重要なのは、自分の考えを端的にわかりやすく面接官に伝えることです。そのため、回答時間は1~2分程度にし、長くても3分以内に収まるようにします。
回答に時間がかかるときには、時間内に話し終えられるよう内容を整理し、要点を絞るなどの調整を行いましょう。
記録を確認して振り返る
回答内容が決まり、時間内に答えられるようになったら、スマートフォンのカメラやボイスレコーダーなどを使って、練習の様子を記録しましょう。
録画・録音した内容をあとで確認することで、一人でも練習の振り返りができます。回答の内容はもちろん、話すスピードやトーン、表情などを確認し、改善点を次の練習に活かすことが大切です。
録音や録画が難しいときには、鏡の前での面接練習も効果的です。相手からどう見えるかを意識しながら練習し、改善点を修正していくことで、より自然で好印象な受け答えができるようになるでしょう。
備えておきたい頻出質問
質問に対する回答の準備は、面接練習における重要なポイントの1つです。特に、頻出質問に対する対策を重点的に行うことで、面接練習をより効果的なものにできるでしょう。
採用面接における頻出質問には、以下があります。
- 志望動機
- 自己PR・長所
- 短所
- 他社の選考状況
- 企業への逆質問
それぞれを詳しく解説します。
志望動機
頻出質問の1つが、志望動機です。志望動機に関する質問は、入社意欲や企業文化への理解、入社後に活躍できそうかどうかを確認するために行われます。
志望動機への回答では、まず就職先としてその業界を選んだ理由を答えましょう。次に、業界の中でも「なぜその企業を選んだのか」を明確に伝えられることが重要です。
併せて、入社後に取り組みたいことや、その取り組みに魅力を感じた理由なども伝えられると、入社への熱意が伝わりやすくなります。
自己PR・長所
自己PRと長所も、面接でよく聞かれる質問の1つです。これらの質問をすることで、自己分析をどのくらい実施しているかや、企業に必要な強みを持つ人材かを測ります。
自己PRや長所は、これまでの経験に基づいた内容にすることで、説得力が増します。そのため、より具体的なエピソードや実績などを盛り込むと効果的です。
自己PRや長所を答えるときには、経験や成果をアピールすることに加え、入社後にその強みをどのように活かせるかを伝えることで、入社意欲も示すことができます。
短所
短所に関する質問は、自己分析を通じて自身の短所や弱みにも向き合えているかどうかを確認するために行われます。
どれだけ優れた長所をもっていても、短所がまったくない人はいません。重要なのは、自身の短所を自覚したうえで、適切な改善策に取り組んでいるかどうかです。面接官は、短所を質問することで、求職者の弱点に向き合う力と課題に対する対応力を見極めています。
短所を答える際は、応募した職種における致命的な短所を選ばないよう注意が必要です。また、長所と短所が矛盾しない範囲で、短所を長所に置き換えられる内容にすれば、ネガティブなイメージを和らげられるでしょう。
併せて、短所や弱みを克服しようとしている具体的なエピソードを盛り込めれば、問題解決力や行動力のアピールにもつながります。
他社の選考状況
他社の選考状況に関する質問も、面接でよく聞かれる内容の1つです。求職者は、複数企業の選考を同時に受けていることがほとんどです。
企業も、求職者が複数の選考を受けていることを理解したうえで、他社の選考状況を確認します。
他社の選考を受けていると伝えたからといって、すぐに不採用になるわけではありません。競合他社と比較し、その会社を選んだ理由や、その会社に感じている魅力などを明確に伝えることで、入社意思の高さや熱意を伝えられます。
企業への逆質問
企業への逆質問は、志望度の高さや熱意などを確認するために行われます。
逆質問を有効に利用すれば、疑問点や不明点を解消できるだけでなく、業界研究や企業研究にしっかりと取り組んでいることをアピールできるでしょう。
たとえば、キャリアプランや企業文化、事業などに対する質問は、入社の熱意を伝えるにあたり効果的です。一方、福利厚生や待遇、面接官の趣味や休日の過ごし方といったプライベートに関する質問は企業研究を行っていなくてもできるため、避けたほうが良いでしょう。
逆質問を選考の1つとして上手に活用するには、企業のホームページや説明会の内容を踏まえた上で、企業研究を実施したことが伝わるような、質問を事前に考えておくことが大切です。
回答内容以外にも注意が必要!面接練習でチェックするポイント
面接では、質問に対する受け答えの内容は非常に重要です。加えて、実際の面接では、非言語コミュニケーションも評価の対象となります。非言語コミュニケーションとは、表情や声のトーン、姿勢など、言葉以外の要素によって行われるコミュニケーションのことです。
非言語コミュニケーションは、言葉によるコミュニケーションを補完したり、信頼関係を築いたりするうえで欠かせません。ビジネスにおいても非常に重要な役割を持つため、採用面接では質問への回答内容と併せて、非言語的な要素も重視されます。
ここでは、非言語コミュニケーションである表情や姿勢、話し方について詳しく見ていきましょう。
表情
面接官は、言葉だけでなく表情も合否にかかわるポイントとして見ています。面接を受ける際は、自然で適度な緊張感が感じられる表情を意識しましょう。
緊張のあまり表情が終始こわばっていると、態度が悪いと思われてしまう恐れがあります。また、面接官と目を合わせなかったり、視線をきょろきょろと動かしてしまったりすると、落ち着きがないと判断されるかもしれません。
面接時には面接官と目を合わせて、アイコンタクトをとりながら会話を進めることが肝心です。緊張感を持ちながらも入社への熱意を伝えられるような表情を心掛けましょう。
姿勢
面接では、ビジネスにおける基本マナーとして、姿勢も評価ポイントになります。姿勢が悪いと、面接での評価に影響する可能性があります。
たとえば、あごが上がった姿勢の場合、相手に威圧感を与えるおそれがあり、猫背の場合は自信が感じられず、相手に不安を抱かせるかもしれません。
椅子に座るときは背筋を伸ばし、真面目さや熱意を伝えましょう。また、相手を見下ろした印象を与えないよう、あごは軽く引きます。あごを引きすぎると上目遣いに見えてしまうため、注意しましょう。
男性の場合は足を肩幅に開き、膝とつま先を正面に向けます。手は軽く握り、太ももの上に置くと良いでしょう。女性の場合は、膝とかかとを揃えて座り、両手を太ももの上で重ねると好印象です。
良い姿勢で面接に臨むだけでも、印象アップが期待できます。面接練習を行う際には、鏡や動画などを使って自分の姿を確認するのがおすすめです。
話し方
声のトーン・声の大きさ・話す速さといった話し方も、面接の印象に影響します。
面接では、自分の思いや考えを、面接官にどれだけ伝えられるかがポイントになります。そのためには、内容はもちろん、伝え方にも注意を払う必要があります
いくら良い回答を用意しても、声が小さかったり、早口だったりすると相手に内容が十分に伝わりません。面接で受け答えをする際は、相手が聞き取りやすい話し方を心掛けることが重要です。
聞き取りやすい話し方の具体例としては、以下があります。
- 少しゆっくりめに話す
- 抑揚をつけて話す
- 語尾までしっかりと発音する
面接では、緊張のあまり早口になりがちです。そのため、少しゆっくりめに話すことを心掛けましょう。
また、丸暗記した回答を話しているような印象を与えないためには、抑揚をつけて自分の言葉で話すことが重要です。
会話をスムーズに進めるには、面接官が聞き取りやすいように語尾までしっかりと発音する意識をもつことが大切です。
面接練習をするのであればAI面接を活用する方法もある
面接練習をするのであれば、AI面接を活用する方法もあります。AI面接とは、AIを活用した採用面接のことです。AIの普及に伴い、選考の初期段階としてさまざまな企業が導入しています。
AI面接では、回答内容はもちろん話し方や声のトーン、表情などの非言語情報も総合的に評価されます。AI面接を練習に活用すれば、業界や業種に合わせた面接練習が可能です。より実践的な面接練習をしたいのであれば、AI面接の活用も検討しましょう。
AI面接の相手は面接官ではありませんが、服装や姿勢などもレポートとして評価者に提出されるため、通常の面接と同じように臨むことが肝心です。
また、画角の外にカンペを用意しても、目線の動きなどで不審に思われる可能性があります。入社への熱意を示すためにも、回答の事前準備や読み上げによる練習などを実施したうえで、面接に臨みましょう。
なお、AI面接は、闇雲に受けても十分な効果は期待できません。AI面接を有効活用するには、回答の事前準備や読み上げによる練習などを実施したうえで、面接に臨むことが肝心です。
また、AI面接を受けた後は振り返りによる課題の洗い出しや修正を実施し、次の面接に活かしましょう。
まとめ
面接練習では、頻出質問に対する回答を用意することはもちろん、表情や姿勢、話し方も確認しましょう。
面接練習は、カメラやボイスレコーダー、鏡などを活用すれば一人でも十分に実施可能です。また、より本番に近い環境で練習したい場合は、AI面接を活用する方法もあります。
目的や状況に応じた練習方法を取り入れることで、より効果的な面接対策ができるでしょう。

この記事を担当した人
PeopleX コンテンツグループ
人事・労務・採用・人材開発・評価・エンプロイーサクセス等についての用語をわかりやすく解説いたします。
これまでに出版レーベル「PeopleX Book」の立ち上げ、書籍『エンプロイーサクセス 社員が成功するための7つの指針』の企画・編集、PeopleX発信のホワイトペーパーの企画・編集などを担当しました。
- 株式会社PeopleXについて
- エンプロイーサクセスHRプラットフォーム「PeopleWork」の開発・運営をはじめとした、新しい時代に適合したHR事業を幅広く展開する総合HRカンパニーです。