エン株式会社の広告営業の育成部門では、知識をインプットする研修は実施していたものの、実践的なトレーニングの機会が不足している点に課題を抱え、AIロープレの導入を検討。「PeopleX AIロープレ」導入後、約3ヶ月で商品の提案件数や架電数が増加する効果が表れ始めている。中途採用 求人広告・DR事業部 企画部 グループマネージャーの鍋倉様に、AIロープレ導入前の課題や導入後の変化を伺った。
担当者の職務
人材サービスの最前線を支える「現場で実践できる営業」を育成
──はじめに、鍋倉様の業務内容を教えてください。
鍋倉様:当社は幅広く人材サービス業を展開していますが、そのなかでも私は「エン転職」「ミドルの転職」「AMBI」といった転職サイトやスカウト転職サービスを扱う事業部に所属しています。営業を経験した後に2024年から現在の部署に異動し、私を含む7名体制で営業の育成を担当しています。
──具体的にどういった取り組みをされているのでしょうか。
鍋倉様:新卒1年目向けの研修やマネジメント階層別の研修のほか、全営業担当者向けに体系化した研修などを実施しています。
当社では「知っている」「わかる」「できる」「教えられる」という4段階の認定制度を設けており、私たちは、座学研修や動画コンテンツの提供を通じて「わかる」状態に引き上げ、実践的な試験等を通じて「できる」状態になっているかを確認する役割を担っています。
AIロープレ 導入の背景と課題
「わかる」から「できる」への高い壁。現場任せになりがちだった実践トレーニング
──AIロープレの導入前から、日常的にロープレは実施されていたのでしょうか。
鍋倉様:日常的な実施という点では、十分にはできていませんでした。私たち営業育成部門では、主にインプット研修や、「できる」状態になっていることを確認する認定試験としてのロープレを行っていましたが、そこに至る日常的な練習については現場や各自に任せていたからです。
しかし、現場もリソースが逼迫しており、ロープレ練習まで十分に手が回らないのが実情でした。
──「わかる」から「できる」になるまでのアウトプット型の研修がなかなかできない状況だったということでしょうか。
鍋倉様:はい。結局のところ、本当に営業が「できる」ようになるためには、顧客との商談経験を積み重ねるしかありません。しかし、経験の浅い若手がいきなり商談現場に出るのはハードルが高いものです。
そのため、現場に出る前にロープレ練習を実施したいのですが、社内での提供はリソース上難しかったため、AIロープレサービスを検討することにしました。複数比較検討したなかで、シンプルでわかりやすいこと、直感的に使いやすいことが決め手となり、「PeopleX AIロープレ」を導入しました。

導入後の効果
練習した商品の提案件数が約2倍に。若手の行動量が明らかに増加した
──実際にAIロープレを導入してみて、営業の方々からの反応や効果についてはいかがでしょうか。
鍋倉様:現在は主に1年目の求人広告営業を対象にAIロープレを活用しています。彼らからは「研修で知識をインプットした後、すぐにAIロープレでアウトプットできるのが良い」という声が上がっています。実践を通じて、「自分がどこを理解できていて、どこでつまずいているのか」がその場ですぐに明確になる点も好評です。
まだ導入して約3ヶ月という状況ですが、数値的な効果も表れ始めています。ある商品の知識をインプットする研修とAIロープレをセットで実施したところ、実施前と比較してその商品の提案件数が約2倍に増えました。また、1年目の営業を対象に架電のロープレを実施したところ、一人あたりの架電数が昨年度と比較して10件ほど伸びています。
AIロープレで練習を重ねることで「本番でもできる」という自信につながり、心理的なハードルが下がって行動量が増え、結果に繋がっているのだと考えています。特に1年目の若手にはフィットしやすいサービスだと感じています。
また、1年目の営業のAIロープレでの評価順位と、実際に現場へ出た後の商談獲得数の順位が一致しており、AIロープレの評価の妥当性や精度の高さを改めて実感しています。
今後の期待と展望
自発的に取り組みたくなる工夫が重要。ゲーム感覚で楽しく継続できる仕組みづくりへ
──最後に、今後のAIロープレの活用方針や、AIロープレというサービスに期待することをお聞かせください。
鍋倉様:現在は行動の「量」を増やすという点で効果が出ていますが、次のテーマは「質」の向上です。また、研修期間が終わるとどうしても活用率が下がりがちになるため、自発的にAIロープレに取り組みたくなるような工夫をしていきたいと考えています。
そのためには、より現場感のあるリアルなロープレシナリオの設計や、営業担当者が楽しく継続して取り組める仕組みづくりが重要だと考えています。
現状もロープレの点数や習熟度を見ることができますが、よりゲーム感覚で取り組みたくなるような仕組みや運用ができると良いと思っています。また、ロープレのフィードバックをより簡単にカスタマイズできる機能や、個人ごとにより詳細に分析データが見られるようにしていただけると非常にありがたいです。
──貴重なご意見をありがとうございます。今後のサービス開発の参考にさせていただきます。本日はありがとうございました。
人材サービス大手のエン株式会社は、契約社員採用と一部の職種の中途採用(正社員)において「PeopleX AI面接」を導入した。契約社員採用では急増した採用オーダーに対応するための「工数削減」、正社員採用では「採用CXの向上」と、異なる目的でAI面接を戦略的に活用している。
同社は、AI面接の導入によってどのように採用課題を解決し、候補者との新たな関係性を築いているのか。中途採用グループの高橋様と久志本様にお話を伺った。
担当者の職務
「入社後活躍」を見据えてミスマッチのない採用を目指す
──はじめに、貴社の事業概要をお聞かせください。
高橋様:エン株式会社は、「エン転職」や「ミドルの転職」「AMBI」「エン エージェント」などを中心に、転職支援事業を展開しています。入社した方が組織に定着し、実際に活躍するまでを一貫して支援できるよう、採用領域に留まらず、評価・教育領域のサービスも手がけています。
──ありがとうございます。お二方のこれまでのキャリアと現在の業務内容についても教えてください。
久志本様: 私は2020年に新卒で入社し、「エン転職」の法人営業を2年間経験した後、社内公募を利用して人財戦略室へ異動しました。新卒採用の担当を経て、直近の1年間は中途採用グループで主にエンジニア採用を担当しています。契約社員の採用も兼任しています。
高橋様: 私は2017年に中途入社しました。久志本と同様に最初の5年間は「エン転職」の法人営業を担当し、チームリーダーも経験しました。その後、社内異動で中途採用グループへ配属となり、現在はマネージャーとして、正社員や契約社員を含めたさまざまなポジションの中途採用の統括をしています。
当社は「入社後活躍」という考えを大切にしており、自社の採用においても候補者との丁寧なマッチングを大切にしています。
AI面接導入の背景
リソースが逼迫する採用現場。抜本的な「業務効率化」が至上命題だった
──AI面接の導入前は、採用プロセスにおいてどのような課題があったのでしょうか。
高橋様:AI面接を導入した直接的なきっかけは、現場からの契約社員の採用オーダーが急増したことです。担当の久志本は正社員採用も兼務しており、対応できる人事のリソースが圧倒的に不足していました。担当の久志本は正社員採用も兼務しており、対応できる人事のマンパワーが圧倒的に不足していました。急速に膨らむ採用業務の中で、このリソース不足を解消し、メンバーが健全に働ける環境を取り戻すことが急務でした。
採用工数を大幅に削減しながらも、採用の質や充足率は落とせない。そんな状況のなかで着目したのがAI面接でした。久志本にプロジェクトリーダーを任せて、導入を進めてもらいました。

──数多くの採用オーダーに対して、当初はどのように対応されていたのですか。
高橋様:それまでは人事が一次面接、現場が最終面接を担当していましたが、人事の工数不足から、数の多い一次面接を現場に依頼し、最終面接を人事が行うという逆のフローにせざるを得ませんでした。しかし、これは本質的な解決策ではなく、現場の負担も大きくなります。また、面接に慣れていない社員もいるため、評価基準にばらつきが出てしまう懸念もありました。
そこで、AI面接を人事面接の代替とし、通過者に対して現場担当者の面接を案内するというフローに変更しました。
※AI面接の内容は人事が確認し、合否判断を実施しています
──久志本様は、プロジェクトリーダーとしてどのような思いで導入を進めていたのでしょうか。
久志本様:当時は、数多くの面接に対応する現場の担当者に加えて、日程調整を行う採用アシスタントにも相当な負担がかかっている状況でした。「全員が健全な状態で仕事を進められるようにしたい」という思いで進めていました。

エピソードの深掘りやアトラクトに時間を割き、採用CXを向上させたかった
──貴社では、一部の職種の中途採用(正社員)でもAI面接を活用されていますが、契約社員採用のフローや導入目的に違いはありますか?
高橋様:はい。「工数削減」が主な目的の契約社員採用に対して、正社員採用では「採用CX(候補者体験)の向上」を目的としています。選考フローとしては、「AIプレ面接→面接2〜3回」という流れにしています。これまで通り一次面接は人事が行うのですが、事前にAI面接で得た情報を活用して面接の質を高めるのが狙いです。
AI面接で候補者の情報を事前に把握することで、エピソードの深掘りや、候補者の意欲を高めるアトラクト(魅力づけ)に時間を使えるようになりました。
──AI面接の導入にあたって、懸念はありましたか?
高橋様:対人の面接に加えてAI面接を受けていただくことになるため、導入前は候補者の反応を懸念していました。しかし、AI面接の案内の際には「当社が大切にしている『入社後活躍』という考え方に基づき、お互いのことをより深く理解し、入社後のミスマッチを防ぐために、AIと人の両方で面接をさせていただきます」とお伝えしています。目的を丁寧に説明していることもあり、候補者の方からは、むしろポジティブな反応をいただいています。
導入後の効果
1日100分かかっていた日程調整が不要に。土日の面接が可能になり機会損失も防げる
──AI面接導入後の効果について教えてください。まず、工数削減を目的とした契約社員採用についてはいかがですか?
久志本様:人事の一次面接がAI面接に置き換わったことで、これまで1名の候補者にかけていた時間で3〜4名ほど対応できるようになりました。アシスタントが1日100分程度かけていた日程調整業務もなくなり、この効果も非常に大きいです。採用業務全体として工数が半分以下になったという実感があり、アシスタントも2名体制だったところを1名で対応できるようになりました。
──採用充足率に関してはいかがでしょうか。
久志本様:工数を大幅に削減しながらも、採用目標はしっかりと満たせている状況です。
また、契約社員採用の場合、主婦の方をはじめ、平日日中の都合がつきづらい候補者の方もいらっしゃいます。AI面接なら24時間面接を受けられるため、「土日に面接を受けられて助かった」という声もありました。機会損失を防ぐという意味でもメリットがあったと考えています。
深掘り質問が増えて候補者体験が向上。録画データをもとに別ポジションの提案も
──正社員採用においては、先ほど「候補者からポジティブな反応があった」というお話もありましたが、具体的にどのような反応があったのでしょうか。
高橋様:アンケートでは「AI面接で伝えた内容を踏まえて一次面接で深掘り質問してもらえたので、自分のことをしっかり理解しようとしてくれていると感じた」などの好意的な声をいただきました。候補者の満足度向上に繋がり、非常に嬉しく思っています。「AI面接は珍しく、楽しめた」といった声もいただいており、新しい選考体験として前向きに受け止めていただいているようです。
また、AI面接を導入することで、書類だけでは伝わりきらない候補者の魅力やポテンシャルを発見できることがあります。「書類から想定していたよりも当社にマッチする方だった」というケースも出てきました。当社が掲げる「入社後活躍」を、より大事にする採用ができるようになったと感じています。
今後の展望
他職種の採用にもAI面接を展開。さらなる効率化&候補者体験向上を目指す
──最後に、今後のAI面接の活用方針を教えてください。
高橋様:現状は契約社員採用や一部の中途採用での活用がメインですが、今後は営業職をはじめ、中途採用の全ての職種へ導入を拡大していきたいと考えています。また、工数削減のために、正社員の採用においても一次選考をAIに任せ、その後の現場担当者との面接に人事も一緒に入る、という形式も検討しています。ただ、AI面接に慣れていない候補者の方も多いので、徐々に職種を広げながら検証していくつもりです。
──貴重なお話をありがとうございました。
導入の背景・ねらい
ベイシアは、創業以来の経営理念「For the Customers(すべてはお客様のために)」のもと、「より良いものをより安く」を追求し、地域に密着した事業活動を展開されています。関東地方を中心に、1都14県に138店舗を展開(2026年2月末現在)。鮮度や品質にこだわった商品の仕入・販売に加え、PB商品の開発、特色ある商品づくりや売場展開に取り組まれています。
さらに、「人をつくって商で文化を創造する」という理念のもと、デジタル技術の活用や人財育成にも注力し、地域社会の持続的な発展を支えています。その中で、人事領域における先進的なAI活用施策の一環として、「PeopleX AI面接」「PeopleX AIロープレ」の2サービスを導入いただくこととなりました。両サービスを通じ、採用時の人財評価から入社後の育成まで、対話型AIの活用による質の向上、業務効率化・標準化をご支援いたします。
「PeopleX AI面接」の導入について
導入にあたっては、数に制限のない自由な設問作成、深掘り質問の詳細設定といった柔軟性を評価いただきました。また、応募者の皆さまが、日程調整不要で24時間365日いつでも面接を実施できること、AI面接官との自然な対話といった体験の質の高さも選定理由となりました。
今後は、コミュニケーション力や主体性など同社にマッチする人財の見極めを強化しながら、採用担当者のリソースをより人ならではのコミュニケーションに傾けられる方針です。
「PeopleX AIロープレ」の導入について
ベイシアでは、人財育成を重要な経営テーマと位置づけ、入社以降の各段階で職位・職責に応じた教育を実施されています。
この度、従業員のスキルアップの早期化、育成の負荷削減・標準化を目指し、本サービスを導入いただきました。AIとの対話の品質、ロールプレイングのシナリオや評価に関する設定の自由度、さらに設定時にAI機能を活用できることによる運用のしやすさを高くご評価いただいての選定です。
まずは店長のマネジメント力強化に向けて利用を開始され、店長のコミュニケーションスキルの定量的な測定・可視化に取り組まれます。今後は、現場で成果を上げる店長のスキル要素をロープレシナリオに反映し、組織全体への展開を図ることもご検討いただいています。さらに、接客や社外対応など、さまざまなシーンへ活用の幅を広げていくことも視野に入れられています。当社は、こうした取組を通じて、同社の人財育成施策における本サービスの定着をご支援してまいります。
ご担当者様からのコメント
株式会社ベイシア 人事本部 役員待遇本部長 割石 正紀 様
受け継いできた「人を大切にする」という信念を、テクノロジーの力で次の時代へ
ベイシアは創業以来、「人をつくって商で文化を創造する」という経営理念のもと、社員一人ひとりを大切にし、その成長を支えることを経営の根幹に据えてまいりました。時代やお客様のニーズが移り変わり、私たちが手にするツールや運営の在り方が変化しても、「人を大切にする」という想いそのものは、これまでも、これからも変わることはありません。
今回の「PeopleX AI面接」「PeopleX AIロープレ」の導入は、こうした不変の想いを、新しい時代の手段でより確かなものとするための一歩です。AI面接では24時間365日、応募者の皆さまが落ち着いて自分らしさを表現できる環境を整え、AIロープレでは社員一人ひとりが自分のペースで実践的な学びを積み重ねられるようにする。いずれも、効率化だけを目的としたものではありません。応募者の皆さま、そして社員一人ひとりの「体験の質」をこれまで以上に高めていくことを、何よりも大切にしたいと考えています。
AIはあくまでツールであり、人と人をつなぐ営みの主役は、これからも「人」です。テクノロジーを丁寧に使いこなしながら、応募者の皆さまや社員の声に耳を傾け、一人ひとりに寄り添うHRの在り方を追求していく。これは、「絶えず挑戦する(Beisia is Dedicated to Challenge)」というベイシアのDNAそのものでもあります。お客様へのサービス品質向上の源泉は、社員一人ひとりの成長と納得感にあると考えています。その確信のもと、これからも変化を恐れず、新しい一歩を踏み出してまいります。
※2026年5月28日 PeopleXプレスリリース「ベイシア、PeopleXの対話型AIサービス「PeopleX AI面接」「PeopleX AIロープレ」を導入」より抜粋
導入の背景・ねらい
横河商事は、計測、制御、情報分野の世界的なリーディングカンパニーである横河電機株式会社の関連子会社であり総合代理店です。首都圏、中京圏、近畿圏を中心に全国にネットワークを展開する総合エンジニアリング商社として、各種機器・ソフトウェアの製作・販売等を行い、さらに高い技術力をもってメンテナンスや技術サポートなど付加価値を提供しています。
同社では、アフターサービス部門のサービス員がお客様先で修理点検や保守対応を行う際、単なる修理点検にとどまらず、情報収集を通じてお客様の課題を捉え、次の提案や取引拡大につなげることを目指しています。そこで、サービス員の「情報収集力と提案力」を強化するため、2025年度より当社グループ会社である株式会社ジェックのサービス員向け研修を導入し、現場対応力の向上を図っています。
これに加えてこの度、研修で学んだ内容の定着を目的に、「PeopleX AIロープレ」を導入いただくこととなりました。AIとの対話による定期的かつ継続的なロールプレイングを通じて、情報収集力と提案力の一層の強化を進め、対応品質および顧客満足度の向上を目指します。
ご担当者様からのコメント
横河商事株式会社 執行役員サービス本部長 桶谷 憲一 様
横河商事株式会社では営業、技術、サービスが三位一体でお客様に対応し、現在では製品販売の物売りからお客様の課題解決として事売りに変化しており、お客様への提案、契約を営業、導入を技術、導入後のアフターメンテナンスをサービスが担っています。
アフターメンテナンス時のお客様課題情報を営業へフィードバックする事で新たな提案へ繋げる事を推進していますが、サービス員はメンテナンス技術を持っているものの「情報収集力と提案力」の育成方法は確立したカリキュラムが無く先輩からの伝承や部署任せに成っており、育成方法に課題が有りました。
そこで、株式会社ジェックのサービス員向け研修を導入する事で「情報収集力と提案力」の強化を行い、更には「PeopleX AIロープレ」を導入する事で定着させ、営業、技術、サービスのビジネスサイクルを確実に回す事を目指しております。
※2026年4月3日 PeopleXプレスリリース「横河商事、PeopleXの対話型AIロープレサービス「PeopleX AIロープレ」を導入」より抜粋
全国に多数の店舗を展開するイトーヨーカ堂は、新卒採用の一次選考として「PeopleX AI面接」を導入した。大企業の多くが抱える「膨大な応募数への対応」や「選考・評価の公平性」といった課題に対し、AI面接はどのように貢献したのか。人事労務部 マネジャーの倉持 裕美様にお話を伺った。
※本記事は、「PeopleX HR Momentum 2026 Summer」(2026年6月3日開催)のセッション「イトーヨーカ堂社が語るAI面接活用の最前線」の配信内容を再構成したものです。
新卒採用の選考フロー
一次選考を100% 「AI面接」に置き換え
砂田:本日は、イトーヨーカ堂の倉持様に「AI面接の最前線」についてお話を伺います。まずは自己紹介をお願いします。
倉持様:私は店舗の担当者としてキャリアをスタートし、その後マーチャンダイザー、商品開発、社員教育を経て、現在は採用を担当しています。さまざまな職務の経験を踏まえ、これから入社を希望される学生の皆さんにイトーヨーカ堂の仕事を伝えています。
砂田:ありがとうございます。貴社の現在の新卒採用の選考フローを教えてください。
倉持様:最初にデジタル履歴書を提出いただき、一次選考としてAI面接をご案内しています。AI面接合格者にはSPIの適性検査へ進んでいただき、両方の選考を通過した方に最終選考(対面面接)をご案内するというフローです。以前は一次選考をZoomで行っていましたが、現在は100%AI面接に置き換えています。
なお、最終選考前に別途オンライン面談で対面面接のポイントをアドバイスしているほか、最終選考合格者には私が1対1でフォロー面談を実施しています。

導入の背景と課題
面接にかかる膨大な工数と、人が介在することによる評価のばらつき
砂田:AI面接を導入された背景や、導入前の課題を教えてください。
倉持様:導入前は、面接の調整に膨大な時間がかかっていました。例えば、一次選考を行うにあたっては、学生さんはもちろん、面接官を担当する数十名の社員たちとスケジュールを調整する必要があり、細かなやり取りに工数がかかっていたんです。採用市場の早期化によって次年度の採用準備と並行して動く必要もあり、人員が限られるなかで効率化と生産性の向上が急務でした。
また、人が面接するとどうしても評価のばらつきが生じます。小売業界は特に採用数不足に陥っていることもあり、評価基準の境界線にいる応募者に対して合格寄りの判断になり、入社後のミスマッチや早期離職につながるケースもあり得ます。そのほかにも、面接官によって評価表への記録の仕方が異なり、共有される情報量に違いが生じるなど、人が介在するからこその課題がありました。
導入の決め手
学生にとっての「話しやすさ」を重視
砂田:複数のAI面接サービスがある中で、当社を選んでいただいた理由をお聞かせください。
倉持様:複数社比較検討したなかでの決め手は、面接官アバターの「当たりの柔らかさ」です。AI面接官が相手だからこそ、学生さんが話しやすいことが重要だと考えました。御社の面接官アバターは、言葉遣いや目線、頷き方などの振る舞いも丁寧で違和感が少なく、好印象を持ちました。
砂田:ありがとうございます。AI面接導入にあたり、社内の反応はいかがでしたか。
倉持様:リアル店舗を持つ当社は対面を重視する文化があり、なかには「AI面接ではきちんと学生に向き合えないのでは」という声もありました。
対面面接かAI面接かを学生さんに選んでいただく運用も可能と伺ったのですが、運用が複雑になると考え、100%AI面接に振り切ることにしました。
導入後の効果
より「深く向き合う」最終選考へ。工数も大幅に減少
砂田:AI面接に置き換えたことにより、選考移行率への影響はありましたか。
倉持様:想像していた以上にAI面接の受験率は高く、AI面接まで進んだ方の最終選考辞退率は低い傾向にあります。期待以上の効果ですね。また、人が選考する機会は1回に減りましたが、そのぶん学生さんも「この機会に社員としっかり話したい」という気持ちを強く持ってくださるようで、最終選考は密度の高い対話を実現できています。
砂田:採用担当の業務面については、どのような変化がありましたか。
倉持様:AI面接の導入によって24時間受付が可能になり、結果確認も好きな時間にまとめてできるため、工数が大幅に減少しました。選考結果連絡も早まり、学生さんに対してより誠実な対応ができるようになったとも感じます。
また、最終面接官はAI面接の要約を事前に読み込んでいるため、重複質問が減って学生さんの満足度が上がっています。面接官の意欲も向上し、「面接でさらに深掘りしたい」という姿勢が強まりました。
文字起こしの精度の高さやポイントをつかみやすい要約は、社内でも「わかりやすい」と大絶賛です。録画で学生さんの話し方や声、表情なども把握できるため、これまで評価表からは見えなかった情報も共有可能になったこともありがたいですね。

砂田:ありがとうございます。AI面接の評価の精度や、学生・社内の反応についてはいかがですか。
倉持様:導入当初は適切に評価されるのか心配していましたが、利用していくにつれて評価の点数と人物像の一致度が高まり、納得感があります。
学生さんには、最終選考で必ずAI面接の感想を聞いているのですが、「想像以上に深掘りされた」「自分のことを十分に話せた」「AIはすごい」などの好意的な声が多いですね。
社内では導入にあたって懸念の声もありましたが、わかりやすく詳細な記録が共有されることで、むしろ一人ひとりにより深く向き合える状態が生まれていると評判です。AI面接のデータは、入社後の配置検討の参考情報としても活用しているんです。
今後の活用方針とサービスへの期待
中途採用への拡大の可能性&さらなる進化への期待
砂田:今後のAI面接の活用方針や、当社に期待することがあればお願いします。
倉持様:現在、中途採用ではAI面接を実施していませんが、就業中の方にとって時間・場所の制約が少ないAI面接は有効だと考えています。また、AI面接を利用するなかで、日々質問の深さやスコア精度が進化していることを実感しています。今後も、さらなる進化を期待しています。
砂田:貴重なご意見をありがとうございます。最後に、AI面接の導入を検討されている採用担当の方へのメッセージをお願いします。
倉持様:AI面接を思い切って検討・導入したことで、当社では採用担当の大幅な工数減少や学生さんへの面接内容・対応の質向上につながりました。やってみなければ想像できない部分も多いので、迷っている方は、まずは体験することをおすすめします。
砂田:ありがとうございました。
株式会社エリメントHRCは、「Enrich One’s mind/人の心を豊かに」をミッションに掲げ、ヘルスケア・IT・製造領域に特化した人材紹介・コンサルティングを展開する企業である。同社が大切にしているのは、単なる求人要件と経歴の照合ではない。候補者の「意向」と「性質」、そして転職先における「働き方」の間に論理の橋を架ける、独自の「エリメント流コンサルティング術」である。面談は求人紹介の前段階ではなく、候補者と企業双方にとって最適な選択肢を見極めるための中核プロセス。一方、IT/製造事業部では事業拡大に伴って新人比率が高まり、面談品質をいかに保ちながら育成を仕組み化するかが課題となっていた。
本記事では、「PeopleX AIロープレ」を導入し、「エリメント流」の伝承と育成効率化を進める同社の取り組みについて、採用コンサルティング事業部の若林様と、マーケ&リサーチ事業部の佐藤様に話を伺った。
担当者の職務
IT/製造領域の事業拡大と、候補者集客・面談品質の設計を担う
── はじめに、貴社の事業概要について教えてください。
若林様:当社は、もともと医療領域に特化したサーチファーム、ヘッドハンティングの会社としてスタートしました。創業から20周年を迎え、現在はヘルスケアに加えて、IT/製造領域にも事業を広げています。大きくは、医療領域に特化したメディカル事業部と、IT/製造事業部の2つを軸に、人材紹介サービスを展開しています。
── その中で、若林様と佐藤様はどのような業務を担当されているのでしょうか?
若林様:私は採用コンサルティング事業部のゼネラルマネージャーとして、15名のメンバーを見ています。候補者の集客からクライアント対応、商談、そしてCA(キャリアアドバイザー)の面談品質の管理・育成までが主な役割です。単に人材をご紹介するだけではなく、クライアントの採用課題と候補者の意向を正しく捉え、双方にとって納得感のある選択肢をつくることを重視しています。
佐藤様:私はマーケティングマネージャーとして6名のマネジメントをしながら、主に候補者集客および広報関連を担当しています。自社のオウンドメディア運用や、候補者の方との面談が中心です。誰に、どの求人を、どのような言葉で届けるべきかを日々検証しながら、集客の入口から面談までを一気通貫で見ています。

導入の背景と課題
急成長するIT/製造事業部で、「エリメント流」をどう伝承するか
── 今回、「AIロープレ」を導入いただきました。もともと、対人でのロープレは実施されていたのでしょうか。
若林様:はい。新人育成のプロセスの中で、ロープレは以前から実施していました。OJTの一環として、先輩や上長とロープレを重ね、実際の面談にも同席しながらスキルを身につけていく流れです。特に候補者との面談品質は、当社が最も大切にしている部分です。候補者の言葉の表面だけではなく、その背景にある感情、意思決定の理由、言語化されていない違和感まで拾いにいく面談を徹底しています。オープン/クローズド質問の使い分け、自己開示、共通点を起点にしたラポール形成などを取り入れ、一問一答の確認作業にならないようにしています。
── 研修は具体的にどれくらいの期間で行われるのですか。
若林様:まず約2週間の座学研修があります。その後、集客に関するOJT、候補者面談の同席・同行へ進みますので、トータルでは2ヶ月程度です。前半はCAの面談ロープレが中心で、RA(リクルーティングアドバイザー)の研修は後半で実施しています。
── ロープレには、決まった「型」のようなものがあるのでしょうか。
若林様:あります。当社独自の「エリメント流コンサルティング術」と呼んでいる面談の型があり、まずはその型に沿って実践できているかを確認します。候補者の方の属性や経験によって質問や提案は当然変わりますが、面談全体を貫く一本筋の通った型があります。それが、候補者の「意向」と「性質」、そして求人先での働き方を論理的につなぐという考え方です。
── 長年確立されてきた型がある中で、どのような課題を感じていたのでしょうか。
若林様:当社は長く医療・メディカル領域に特化して成長してきたため、その領域では「型」の伝承がかなり濃くできていました。一方で、後発で立ち上がったIT/製造事業部は、これから事業を伸ばしていくフェーズです。エリメント流を高い水準で実践できるメンバーを増やしていく必要がある中で、新人比率も高く、育成やロープレが後手に回ってしまう場面がありました。
佐藤様:一番大きかったのは、やはり工数の問題です。新人教育には時間がかかりますが、教える側も自身の営業数字を持っており、クライアント対応を行っています。昨年は新人が12名、今年も現時点で10名の入社が決まっており、育成対象が増えるほど、教育担当者側の負荷も大きくなっていました。
若林様:ロープレをしっかりやると、実際の面談と同じように1時間程度かかります。その間、先輩やマネジメント層のスケジュールは完全にロックされます。対応できるメンバーも限られるため、特定の社員に育成負荷が集中してしまう。これは、事業を伸ばしていく上で解決すべき課題だと感じていました。
導入の決め手
AIに任せることで、練習量とフィードバックの再現性を高められると判断
── AIロープレというサービスを知ったきっかけを教えてください。
佐藤様:2025年の年末頃に、御社の担当者である長嶋さんをLinkedInでお見かけし、ユニークな経歴に興味を持ったのがきっかけです。そこから「AIロープレ」というサービスを知りました。
ちょうどその頃、事業部内でも「新人が多く、ロープレ対応の時間が足りない」という課題が出ていました。AIロープレを導入できれば、教育にかかる時間を軽減しながら、練習機会も増やせるのではないかと考え、社長に提案して話を進めました。
── 若林様は最初、「AIとロープレする」と聞いたとき、どのように感じましたか?
若林様:正直に言えば、最初は懐疑的でした。当社には面談における独自の型があり、その中心には「意向」と「性質」という考え方があります。単に質問項目をなぞるのではなく、候補者の言葉の背景を捉え、働き方との間に論理の橋を架けていく必要があります。それをAIがどこまで理解し、どの定義に沿って評価できるのかは、最初は想像がつきませんでした。
── 他社サービスとの比較もされたのでしょうか。導入を決断された決め手は何でしたか?
佐藤様:いくつか比較検討は行いました。最終的な決め手は、時間を選ばず常時利用できることです。人が見るべき部分は人が見る。一方で、反復練習や一次的なフィードバックはAIに任せる。その切り分けができれば、育成の質を落とさずに練習量を増やせると考えました。

導入後の効果、組織内での反応
責任者の視点に近いフィードバックが得られ、育成工数の削減にも寄与
── AIロープレについて、導入後の現場の反応はいかがですか。
若林様:「思っていた以上に良い」という声が多く、現場の反応は良好です。私が懸念していた感情面や深掘りの観点についても、社内で普段指摘している内容に近いフィードバックが出てきます。実際に、面談で感情の読み取りや背景の掘り下げが苦手な傾向にあるメンバーが実施したところ、私が指摘する内容にかなり近いフィードバックが返ってきました。
当社の面談では、候補者の発する表層的な内容ではなく、その根っこにある『本質的な背景や理由』をとらえることが重要であるとしています。また、機械的に質問を消化するのではなく、候補者の意思決定の構造を理解することが大切です。AIロープレは、その観点を身につけるための練習機会を増やす仕組みとして、面談品質の底上げに寄与していると感じます。
── そのほかに、AIロープレを導入してよかったと感じている部分はありますか。
若林様:工数削減の効果も大きいです。これまでマネジメント層が複数人で長時間かけて確認していた部分の一部を、AIに任せられるようになりました。必要な箇所だけ動画を確認する運用にすれば、移動中などの短い時間でも確認できます。人が介在すべき本質的な部分に、より時間を使えるようになったことは大きいですね。
今後の活用方針やサービスに期待すること
キャリア面談から企業との商談、新人の卒業試験、ロープレ大会の予選へ。活用範囲を広げる
── 今後のサービス活用方針を教えてください。
若林様:現状はキャリア面談のロープレが中心ですが、今後は法人向け商談ロープレにも展開したいと考えています。企業の採用課題をどう捉え、どのような候補者提案につなげるかは、当社のコンサルティング品質を左右する重要な要素です。
また、当社には「新人の卒業試験」という独り立ちのためのテストがあります。仮想の候補者の設定に基づき、ヒアリングから企業の求人紹介までを行い、応募承諾をとれるか一連の流れと面談の品質を評価するものです。この卒業試験をAIのテスト機能で支援できれば、評価の一次判定や育成ポイントの可視化に有効だと考えています。
さらに、人材紹介会社数社で運営しているロープレ大会の社内予選にも、AIロープレを活用したいです。これまではマネジメント層が5〜6時間かけて採点していましたが、AIで一次採点や合否判定を行い、気になる箇所だけ動画で確認する運用にできれば、大幅な時間短縮につながります。
── 最後に、AIロープレというサービスに期待することをお聞かせください。
若林様:現時点でも問題なく活用できています。一方で、温度感や抑揚、応答の「間」など、人間同士の会話との差を感じる部分はまだあります。こうしたレスポンス設計や、評価観点のプリセット機能がさらに強化されると、より実践に近い育成環境になると思います。技術の進化によって、今後さらに良くなっていくことを期待しています。
── 貴重なお話をありがとうございました。今後の開発の参考にさせていただきます。

マリモホールディングスは、不動産事業を中心に複数事業を手がける株式会社マリモをはじめとした企業グループの経営管理・新規事業推進を行う持株会社です。
本インタビューの前半は「PeopleX AI面接・AIロープレ」の導入を推進した人事部の高部様に、サービス導入の背景を伺いました。後半では、マンション販売の営業担当の胤森様と伊藤様に、営業活動における課題感とAIロープレの活用実態について伺いました。

導入の背景
── 2026年は貴社にとっての転換期と伺ったのですが、詳細を教えていただけますか?
高部様(人事部):マリモホールディングスでは、2026年度を「人づくり元年」と位置づけ、事業成長を支える人材基盤の強化に取り組んでいます。その中で重視しているのが、「自助」と「共助」を前提とした人材育成の仕組みづくりです。個人の主体的な学習や挑戦(自助)を促しながら、それを組織として継続的に支え、育てていく仕組み(共助)をどう構築するか。この両立が、グループ全体の持続的成長に不可欠だと考えています。
── 人材育成において大切にされていることは何ですか?
高部様(人事部):マリモグループが目指しているのは、心理的安全性を基盤としつつ、学習と成長に向き合う「適度な緊張感」を維持できる組織です。私たちは、単に負荷を下げることや配慮を重ねることが「人を大切にすること」だとは捉えていません。期待を明確にし、成長に向き合い続ける環境を用意することこそが重要だと考えています。
── 素晴らしい姿勢ですね。その一環としてAI面接・AIロープレを導入されたのですね。
高部様(人事部):はい。今回のAI面接・AIロープレの導入は、採用や育成を効率化するためだけの施策ではなく、社員一人ひとりが主体的に学び、挑戦し続けられる共通基盤を整える取り組みです。今後もテクノロジーを活用しながら、個人の自律性と組織の育成力が両立する人づくりを進めていきます。
営業における課題感

── お二人の職務内容を教えていただけますか。
伊藤様: マンション売買の営業担当をしております。新卒で入社し、この4月から4年目に入ります。
胤森様:私はマリモで開発した新築マンションの販売をしています。元々はマリモに入ってからしばらくは事務職に従事していましたが、入社20年目を機に社内の「殻を破れプロジェクト」を利用して営業に転籍し、現在営業職としては5年目になります。
── 普段の営業活動で難しいと感じる点はどこでしょうか?
胤森様:お客様の「本音」を伺うことですね。数千万円という大きな買い物ですから、お客様は「買わされるんじゃないか」とガードを固めて来られます。そのガードを解き、話しやすい環境を作って本音をお話しいただく関係づくりに力を入れていますが、そこが非常に難しいと感じています。
── 関係づくりのために、どのような工夫をされていますか?
胤森様:些細なことですが、まずは天気の話など、自然な会話でのアイスブレイクを心がけています。お客様の不安な気持ちを解きほぐし、ガードを外していただくことを常に意識していますね。
── 伊藤様:はいかがでしょうか?
伊藤様:お客様のニーズを整理することが一番難しいと感じます。価格は安く、間取りは広く、利便性も良い、といったように、お客様はより良い条件を希望されますが、条件に100%合う物件はなかなかありません。条件に優先順位をつける必要があるのですが、場合によってはお客様とは違った「視点」をお伝えすることで、条件を変えていただいたり折り合いをつけていただくこともございます。
「PeopleX AIロープレ」を使ってみた感想
── AIロープレを使ってみて、率直な感想はいかがでしたか?
伊藤様:私はとても有意義に活用できています。対人でのロープレとは違う観点で質問が来るので、自分の知識不足やトークの引き出し不足に気づけたりします。そこで改めてインプットし直して再度ロープレにチャレンジするという、良いフローが組めています。
── AIロープレでご自身の知識不足や苦手なトークがわかると。
伊藤様:はい、その通りです。あとは自分の話し方や営業スタイルを客観視できるので、その点も学びになっています。
── AIロープレの評価についてはどう思われますか?
胤森様:初回の評点はそれほど高くなく、AIからは「具体的に言えていなかった」「結論を先に言いすぎている」といった少々辛口のフィードバックもありました。普段自分では意識しているつもりでもできていなかったことが客観的にフィードバックされる点は、非常に良かったです。私は負けず嫌いなので、ロープレで早くA判定を取りたいという気持ちになって、自然と練習が進みました(笑)。応酬話法の練習にもなり、役立つツールだなという印象です。
── 高い点数を取りたいという気持ちは、新人の方にも良い影響がありそうですね。
胤森様:そうですね。ロープレは事前にシナリオ設定しますし、AI相手ですので「こう答えたら100点なんだろうな」という準備ができると高を括っていたのですが、たとえ相手がAIであっても、会話の流れの中で実践できなければ意味がありません。どういう間で、どういう表情で話せばよいかという練習にもなるので、とても良いと思いました。

今後サービスに期待すること
── 今後、AIロープレにどのような機能があるとよいと思いますか?
伊藤様: 提案に必要な資料を読み込ませて、資料の内容に沿って提案をするロープレをしたいです。実際の接客時は、地図などを指し示しながらご案内するので、そういった資料を使いながらきちんと話せているか、という部分を練習・強化したいですね。
── 資料を活用したトークの練習ですね。胤森様はいかがですか?
胤森様:これはAIで実現できるのかわかりませんが、「顔の表情」「声のトーン」に人間のような変化があるといいなと思います。普段の営業活動でお客様から3つほど要望を提示された場合に、お客様がその中でどれを一番気にされているのかは表情やトーンでキャッチすることが多いように感じています。もちろん質問を重ねることで探っていくなどの方法もありますが、人間により近い心の機微について今後さらに改善されたらすごいなと期待しています。
── 貴重なご意見をありがとうございました。

GMOインターネットグループは、未来の経営幹部候補を採用する「新卒年収710万円プログラム」を実施するなど、新卒採用に特に力を入れている企業です。また、「GMO AI&ロボティクス商事」などAIを活用した事業を複数手がけ、社内でのAI技術活用も推進する最先端AI企業でもあります。
同社は「PeopleX AI面接」を導入したことで採用業務の大幅効率化を実現。現在は少数精鋭体制ながら、10,000名を超える応募者一人ひとりの個性や潜在能力を深く見極める採用フローを構築。AI技術の活用を全社的に推進する同社が、AI面接によってどのように採用活動の効率化と質の向上を両立させているのか、その詳細を伺いました。
担当者の職務
新卒採用は、未来の経営幹部候補を採用する「グループ最重要プロジェクト」
── はじめに、貴社の事業概要について教えてください。
吉田様:GMOインターネットグループは、約150社のグループ会社からなる総合インターネット企業グループです。上場企業12社を中心とし、インターネットインフラ、セキュリティ、広告・メディア、金融、暗号資産事業などを多彩に展開しています。
現在は「AI&ロボティクスで未来を創るNo.1企業グループ」というビジョンを掲げ、グループ全体でAI・ロボティクス事業を推進しており、社内業務の効率化にもAIを積極的に活用しています。グループ全体の生成AI業務活用率は約98%に達しています。
── ありがとうございます。その中で、吉田様と堀様はどのような業務を担当されているのでしょうか?
堀様:私たちは主に新卒採用を担当しています。現在、新卒採用(新卒年収710万円プログラム)はグループの最重要プロジェクトと位置付けており、高度人財採用の勢いをさらに加速させるべく、採用活動に励んでおります。
導入の背景と課題
少人数での新卒採用。応募者のポテンシャルをいかに見極めるか
──新卒採用を担当される中で、どのような課題を感じていらっしゃいましたか?
吉田様:私たちが担当する新卒採用は、すべてのオペレーションを少人数で回すことは現実的ではありませんでした。以前はエントリーシートの次に人事担当者が対面での一次面接を行っていましたが、同じフローでは物理的に対応が困難です。この一次選考の工数を大幅に削減するためにAI面接の導入は必須でした。
──全社的にAI導入を推進されているとも伺いました。AI活用状況についても教えていただけますか?
堀様:当社では毎月「GMO AI Day」という日を設けています。この日は全従業員がAIを学ぶか、AIを使って業務効率化に取り組むなど、AIに関することしか行いません。また、AIツールの利用料金を平均月1万円補助する「AIブースト支援金」という福利厚生制度もあり、簡単なチャット利用からコーディングまで、日常業務でAIを活用する文化が根付いています。こうした背景も、採用プロセスにAIを導入する後押しになったと思います。

導入の決め手
既存事業で抱いていたPeopleXの技術への信頼感。対話技術が選定のポイントに
──AI面接サービスの導入にあたり、他社サービスとの比較検討はされましたか?
吉田様:いえ、私は、以前にAI・ロボティクス事業に携わっており、その際にPeopleX様と技術面での取り組み(※1)をさせていただいた経緯があります。その時のやり取りを通じて技術的に優れていると感じていましたし、信頼感もありました。
※1【国内初】GMO AI&ロボティクス商事とPeopleXが協業し、ロボット人材派遣型サービスでAI対話機能を備えた「G1」の派遣を開始/ヒューマノイドロボットとAIの融合がもたらす新たな顧客体験を提供 https://peoplex.jp/news/20250902_02/
別事業での活用事例があったことで、当時導入を検討していた人事担当者も「これはいける」と非常に好意的に捉えていました。特に対話技術の高さが評価されていて、既存の取引関係と技術への信頼があったため、スムーズに導入が決まりました。
導入後の効果
ESでは見えない「No.1人材」の資質を発見。選考の質と効率が大幅に向上
── 実際に導入してみて、どのような効果を実感されていますか?
吉田様:私たちは「新卒年収710万円プログラム」として、未来の経営幹部候補となる人材を採用しています。何かしらの分野で「No.1」の取り組みをしてきた方や、AI・ロボティクスに深い知見を持つ方など、エントリーシートだけでは読み取れない「秀でた人材」は多く眠っています。
AI面接を導入したことで、人の面接コストをかけずに、応募者一人ひとりの話を深く聞けるようになりました。こちらで質問をカスタマイズできるので、「普段どのAIモデルをどのように活用していますか?」といった具体的な問いを通じて、その方の興味の度合いや知識レベルを正確に把握できます。これにより、応募者の見極めの質、ひいては選考の精度が向上したと実感しています。

── AI面接のデータはどのように活用されていますか?
吉田様:新卒採用には10,000名以上の応募がありますが、「全文文字起こし機能」が非常に優秀で、これを主に活用しています。まず面接の「要約」と「文字起こし」を確認し、そこで話されている内容を見て判断します。評価スコアは参考程度で、ボディランゲージなどが低くても内容が良ければ全く問題にしません。動画は、雰囲気を確認したり、後続の面接官に申し送りをする際に見返したりします。メモだけでは伝わりきらない情報を共有できるので、面接官全員が同じ認識を持って選考に臨める点も大きなメリットです。
堀様:エントリーシートには書ききれなかった、さらに深い情報を話してくださる候補者の方も多いです。文字起こしデータでその重要な部分をしっかり確認できるのは、とても助かっています。
今後の展望と期待
「この人はGMOと相性が良い」AIが候補者の活躍可能性を示唆する未来へ
── 最後に、今後のサービスの活用方針や、AI面接というサービスに期待することをお聞かせください。
吉田様:今後、蓄積された選考データをAIが分析して、「この人はGMOインターネットグループとの相性が90%です」といったように、候補者との相性を示してくれるようになると面白いですね。私たちが判断に迷うような候補者でも、過去のデータから「このタイプの人は活躍する傾向がある」といったサジェストがあれば、これまでとは違う視点で候補者を見極めることができ、採用の可能性がさらに広がるのではないかと期待しています。
堀様:そうですね。入社後の活躍度合いまでデータ連携ができるとさらに精度が上がりそうですので、期待しています。
──貴重なご意見ありがとうございます。ぜひ今後の開発の参考にさせていただきます。本日はありがとうございました。

導入の背景
エンジニア採用の加速。「全員と会いたい」を阻んだ面接工数の壁
札幌で開発事業からスタートした株式会社ProVisionは、ガラケーやスマートフォン、各種アプリ、Webへと需要が広がるとともに事業を拡大し、現在はソフトウェア品質検証に加え、システム開発、DX推進、技術支援へと領域を広げ、企業のIT課題解決を支援するパートナーとして事業を展開している。
角地氏:「もともとが品質検証の会社なので、品質へのこだわりが私たちの強みです。要件定義のような最初の段階から品質検証のチームが加わって、品質を見据えながら開発を進められる。そこは私たちならではだと思います」
事業の成長に伴い、同社では経営方針としてエンジニア採用の加速が掲げられた。採用チームを新たに立ち上げ、目標数の達成に向けて動き出したものの、ここで大きな壁となったのが採用工数だった。
角地氏:「本来は書類だけで判断せず、応募者一人ひとりにしっかり会社の魅力を伝えていきたい。ただ、全員と面接するには、どうしても面接官の工数が足りませんでした。もっと効率よく採用を進めるために何かできないか——それがスタートでした」
書類選考だけでは候補者の実像をつかみきれず、本来出会えるはずの人材を取りこぼしているのではないか。そうした課題感の中で、解決策の一つとして浮かび上がったのがAI面接だった。
導入の決め手
決め手は「深掘りできる対話力」。中途採用で求めた“しっかり見極める面接”を実現
AI面接という選択肢に対して、当初、角地氏自身は不安を感じていたという。

角地氏:「私自身、当初はAI面接に不安がありました。『候補者に受け入れてもらえるのだろうか』という気持ちもありました。ただ、私たちはIT企業です。新しい技術を積極的に取り入れ、その価値を確かめることも大切だと思っています。むしろ、そのような新しい取り組みに前向きな方とは相性が良いのではないかと考えるようになりました。」
検討にあたっては、PeopleXを含む4〜5社のサービスを比較した。重視したのは「自分たちのやりたいことが実現できるか」。応募者が違和感なくスムーズに受けられるか、IT未経験の応募者にとっても受けやすいか、そして自社側も評価しやすいか——求職者にも採用担当者にも“柔軟”であることを軸に見極めていった。
そうした中で、PeopleXのAI面接は候補者の回答を深掘りしながら対話できる点が、中途採用で求める「しっかり見極める面接」と合致した。
そして、最終的な決め手となったのは、PeopleXの担当者の姿勢だった。
角地氏:「アバターをはじめ、開発に力を入れていると伺っていました。導入後に『こういう改善はできませんか』とお願いしたとき、できる・できないは別として、きちんと耳を傾けてもらえそうだと感じたんです」
こうして同社は、「他社と比較してどれにするか」ではなく「PeopleXのAI面接を導入するか、AI面接を導入しないか」という観点での判断のもと、導入を決めた。
導入後の効果
書類では出会えなかった人材との接点が生まれ、採用の“間口”が広がった
導入の効果は、工数と「出会いの幅」の両面に表れた。導入直後の時点でも、見極めの面接に月10時間ほどを割いていたが、その時間はほぼなくなったという。
そして、同社が大きな手応えを感じているのが、書類選考だけでは出会えなかった人材との接点だ。
角地氏:「書類だけでは強みを十分に把握しきれない方でも、AI面接を通じてコミュニケーション力や人柄が見えてくることがあります。実際に、その後の面接を経て内定・入社し、活躍している方もいます。書類だけでは評価しきれなかった人材との出会いにつながっています。」
この「間口の広がり」は、人材紹介エージェントとの関係にも好循環を生んでいる。
角地氏:「エージェントの方からも、「選考機会が広がったことで候補者を提案しやすくなった」という声をいただいています。」
さらに、外国籍候補者の採用では、PeopleXの日本語能力判定機能が選考対象の拡大につながった。従来は、書類上の情報だけでは日本語能力を十分に把握できず、選考判断が難しい候補者もいたが、AI面接によって客観的な判断材料が得られるようになった。
角地氏:「今はAI面接によって日本語能力を可視化できるため、部門側も選考判断をしやすくなっています。その結果、これまで書類だけでは把握できなかった強みを持つ候補者が、合格や内定につながるケースも生まれています。」
AI面接によって一定の基準で評価・可視化されるため、現場も納得感を持って次の選考へ進める。書類の情報だけでは判断しきれなかった候補者の人物像が、AI面接によって可視化されている。
アルバイト採用は「全件AI面接」へ。
中途採用に続き、同社はアルバイト採用にもAI面接の活用を広げている。横浜の拠点では、応募者全員をAI面接で選考する運用を開始した。
1件あたり約30分の面接が、繁忙期には1日に3〜4件発生することもあり、面接対応のための時間確保が課題となっていた。

加藤氏:「アルバイト採用は横浜拠点から全件AI面接に切り替えました。現場メンバーは空き時間に録画を確認しながら選考判断ができるため、日程調整や面接実施にかかる時間を大きく削減できています。採用の対応にかかる負荷を抑えながらも、候補者一人ひとりをしっかり確認できるようになりました」
アルバイト採用ではスピード感のある対応が重要だ。AI面接であれば候補者は好きなタイミングで受験でき、現場側も迅速に選考判断を行える。その結果、選考スピードを維持しながら採用活動を進められるようになった。横浜での成果を受け、札幌や高崎など他拠点への展開も進んでいる。
今後の展望
新卒・会社説明への展開と、データ活用への期待
同社は今後、AI面接の活用領域をさらに広げていく考えだ。特に、本格化する新卒採用での活用に期待を寄せている。
角地氏:「28卒からは採用数を増やす予定です。AI面接であれば学生がいつでも受験できるため、応募者にとっても参加しやすい選考になると思います。将来的にはエントリーシートを補完する形で活用する可能性もあると考えています。書類だけでは伝わりにくい人柄やコミュニケーションの特徴を把握できる点にも期待しています。」
会社説明の機能や、選考データの活用にも関心を寄せる。蓄積された評価データを分析し、自社を受ける候補者の傾向や、通過者に共通する特徴が見えるようになれば、より自社らしい採用基準づくりにつながるという。
品質検証で培った知見を基盤に、開発・DX推進・技術支援へと事業領域を広げてきたProVision。新しい技術を積極的に取り入れながら、企業のIT課題解決を支援するパートナーとして、これからも挑戦を続けていく。
導入の背景
「生活者発想」の企業が直面した、採用効率化のジレンマ
博報堂DYグループの「デジタルコア」として、デジタルマーケティングを牽引する株式会社Hakuhodo DY ONE。同社は、数千名規模の応募が集まる企業でありながら、採用活動においては「効率化」と「候補者への誠実な向き合い」のバランスに悩んでいた。
これまで導入していた「録画面接」では、学生が投稿した約10分間の自己PR動画を、社員2名体制で全て目視確認していた。
宇野氏:「学生1人の合否を決めるのに、動画視聴を含めて20分はかかります。インターンだけで500人、本選考を含めるとさらに増える。単純計算でも年間500時間近くを動画チェックに費やしていました」
さらに深刻だったのは「離脱率」の高さだ。「動画を撮って送る」という心理的・物理的ハードルにより、応募の意思はあるものの、約25%の学生が選考を辞退していたのだ。
布山氏:「効率化はしたい。でも、我々は『生活者発想』を掲げるなかで、人を大切にしたい。AIに面接を任せることで、当社の企業イメージが損なわれるのではないか?そんな葛藤が社内にはありました」

導入の決め手
決め手は「人を感じる温かみ」
そんな中、出会ったのがPeopleXのAI面接だった。複数のAI面接サービスを比較検討する中で、同社が最も重視したのは「人間らしさ」が感じられる候補者体験の良さだった。
布山氏:「他社のサービスも拝見しましたが、静止画だったり、無機質なものが多かった。しかし、PeopleXのAI面接はアバターを活用し、一定の対話感が確保されていました。さらに、固定化された質問だけでなく、学生の回答に応じて深掘り質問を柔軟に投げかけてくれる点に大きなバリエーションを感じ、それが導入の決め手となりました。」
デジタルネイティブであるZ世代の学生にとって、ゲームやVRのアバターは馴染み深い存在だ。むしろ、無機質なシステムよりも、アバターが相手をしてくれる方が緊張せずに素を出せるのではないか。そんな仮説のもと、PeopleX AI面接の導入と面接官のハイブリッド評価で透明性を確保しながら、最終決定は人がおこなう仕組みを担保した採用プロセスの高度化を図ることを決断された。
導入後の効果
選考工数を400時間削減。離脱率は驚異の10%以下へ
導入の効果は、予想を遥かに上回るものだった。
まず、最大の課題だった工数は劇的に削減された。
宇野氏:「これまでの500時間が、AIによるスクリーニングと確認作業だけになり、おそらく50〜100時間程度に収まっています。約400時間の削減です。」

そして、懸念されていた学生の反応も好意的だった。24時間365日、スマホさえあればいつでも受験できる手軽さは、多忙な就活生にとって大きなメリットとなった。
宇野氏:「録画面接時代に25%あった離脱率は、AI面接導入後、10%以下にまで下がりました。受けている時間をデータで見ると土日や深夜に受験している学生も多く、機会損失を確実に防げていると実感しています」
今後の展望
テクノロジーと人間味が融合した、次世代の採用活動を追求
AI面接の導入は、効率化だけでなく「公平性」という新たな価値も生み出した。
布山氏:「学生に対しては『AIだからこそ、面接官の当たり外れやバイアスがなく、全員同じ基準で公平に見てもらえる』と説明しています。これが非常にポジティブに受け入れられました。AIでフラットに評価し、その後の選考で社員がじっくりと人物面を見る。この役割分担が上手く機能しています」
将来的には、AIの評価スコアと適性検査の結果など蓄積されたデータを活用し、入社後の活躍予測や、業界平均と比較したフィードバックなど、AIならではの機能を拡張していく構想も検討していきたいという。
布山氏:「AI面接は、単なる効率化ツールではありません。学生にとっても、企業にとっても、より納得感のある幸せなマッチングを実現するためのパートナーです。今後はこのモデルを、中途採用や他の領域にも広げていきたいですね」
株式会社Hakuhodo DY ONEの挑戦は、テクノロジーと人間味が融合した、次世代の採用活動のあり方を提示している。
