エン株式会社の広告営業の育成部門では、知識をインプットする研修は実施していたものの、実践的なトレーニングの機会が不足している点に課題を抱え、AIロープレの導入を検討。「PeopleX AIロープレ」導入後、約3ヶ月で商品の提案件数や架電数が増加する効果が表れ始めている。中途採用 求人広告・DR事業部 企画部 グループマネージャーの鍋倉様に、AIロープレ導入前の課題や導入後の変化を伺った。
担当者の職務
人材サービスの最前線を支える「現場で実践できる営業」を育成
──はじめに、鍋倉様の業務内容を教えてください。
鍋倉様:当社は幅広く人材サービス業を展開していますが、そのなかでも私は「エン転職」「ミドルの転職」「AMBI」といった転職サイトやスカウト転職サービスを扱う事業部に所属しています。営業を経験した後に2024年から現在の部署に異動し、私を含む7名体制で営業の育成を担当しています。
──具体的にどういった取り組みをされているのでしょうか。
鍋倉様:新卒1年目向けの研修やマネジメント階層別の研修のほか、全営業担当者向けに体系化した研修などを実施しています。
当社では「知っている」「わかる」「できる」「教えられる」という4段階の認定制度を設けており、私たちは、座学研修や動画コンテンツの提供を通じて「わかる」状態に引き上げ、実践的な試験等を通じて「できる」状態になっているかを確認する役割を担っています。
AIロープレ 導入の背景と課題
「わかる」から「できる」への高い壁。現場任せになりがちだった実践トレーニング
──AIロープレの導入前から、日常的にロープレは実施されていたのでしょうか。
鍋倉様:日常的な実施という点では、十分にはできていませんでした。私たち営業育成部門では、主にインプット研修や、「できる」状態になっていることを確認する認定試験としてのロープレを行っていましたが、そこに至る日常的な練習については現場や各自に任せていたからです。
しかし、現場もリソースが逼迫しており、ロープレ練習まで十分に手が回らないのが実情でした。
──「わかる」から「できる」になるまでのアウトプット型の研修がなかなかできない状況だったということでしょうか。
鍋倉様:はい。結局のところ、本当に営業が「できる」ようになるためには、顧客との商談経験を積み重ねるしかありません。しかし、経験の浅い若手がいきなり商談現場に出るのはハードルが高いものです。
そのため、現場に出る前にロープレ練習を実施したいのですが、社内での提供はリソース上難しかったため、AIロープレサービスを検討することにしました。複数比較検討したなかで、シンプルでわかりやすいこと、直感的に使いやすいことが決め手となり、「PeopleX AIロープレ」を導入しました。

導入後の効果
練習した商品の提案件数が約2倍に。若手の行動量が明らかに増加した
──実際にAIロープレを導入してみて、営業の方々からの反応や効果についてはいかがでしょうか。
鍋倉様:現在は主に1年目の求人広告営業を対象にAIロープレを活用しています。彼らからは「研修で知識をインプットした後、すぐにAIロープレでアウトプットできるのが良い」という声が上がっています。実践を通じて、「自分がどこを理解できていて、どこでつまずいているのか」がその場ですぐに明確になる点も好評です。
まだ導入して約3ヶ月という状況ですが、数値的な効果も表れ始めています。ある商品の知識をインプットする研修とAIロープレをセットで実施したところ、実施前と比較してその商品の提案件数が約2倍に増えました。また、1年目の営業を対象に架電のロープレを実施したところ、一人あたりの架電数が昨年度と比較して10件ほど伸びています。
AIロープレで練習を重ねることで「本番でもできる」という自信につながり、心理的なハードルが下がって行動量が増え、結果に繋がっているのだと考えています。特に1年目の若手にはフィットしやすいサービスだと感じています。
また、1年目の営業のAIロープレでの評価順位と、実際に現場へ出た後の商談獲得数の順位が一致しており、AIロープレの評価の妥当性や精度の高さを改めて実感しています。
今後の期待と展望
自発的に取り組みたくなる工夫が重要。ゲーム感覚で楽しく継続できる仕組みづくりへ
──最後に、今後のAIロープレの活用方針や、AIロープレというサービスに期待することをお聞かせください。
鍋倉様:現在は行動の「量」を増やすという点で効果が出ていますが、次のテーマは「質」の向上です。また、研修期間が終わるとどうしても活用率が下がりがちになるため、自発的にAIロープレに取り組みたくなるような工夫をしていきたいと考えています。
そのためには、より現場感のあるリアルなロープレシナリオの設計や、営業担当者が楽しく継続して取り組める仕組みづくりが重要だと考えています。
現状もロープレの点数や習熟度を見ることができますが、よりゲーム感覚で取り組みたくなるような仕組みや運用ができると良いと思っています。また、ロープレのフィードバックをより簡単にカスタマイズできる機能や、個人ごとにより詳細に分析データが見られるようにしていただけると非常にありがたいです。
──貴重なご意見をありがとうございます。今後のサービス開発の参考にさせていただきます。本日はありがとうございました。
人材サービス大手のエン株式会社は、契約社員採用と一部の職種の中途採用(正社員)において「PeopleX AI面接」を導入した。契約社員採用では急増した採用オーダーに対応するための「工数削減」、正社員採用では「採用CXの向上」と、異なる目的でAI面接を戦略的に活用している。
同社は、AI面接の導入によってどのように採用課題を解決し、候補者との新たな関係性を築いているのか。中途採用グループの高橋様と久志本様にお話を伺った。
担当者の職務
「入社後活躍」を見据えてミスマッチのない採用を目指す
──はじめに、貴社の事業概要をお聞かせください。
高橋様:エン株式会社は、「エン転職」や「ミドルの転職」「AMBI」「エン エージェント」などを中心に、転職支援事業を展開しています。入社した方が組織に定着し、実際に活躍するまでを一貫して支援できるよう、採用領域に留まらず、評価・教育領域のサービスも手がけています。
──ありがとうございます。お二方のこれまでのキャリアと現在の業務内容についても教えてください。
久志本様: 私は2020年に新卒で入社し、「エン転職」の法人営業を2年間経験した後、社内公募を利用して人財戦略室へ異動しました。新卒採用の担当を経て、直近の1年間は中途採用グループで主にエンジニア採用を担当しています。契約社員の採用も兼任しています。
高橋様: 私は2017年に中途入社しました。久志本と同様に最初の5年間は「エン転職」の法人営業を担当し、チームリーダーも経験しました。その後、社内異動で中途採用グループへ配属となり、現在はマネージャーとして、正社員や契約社員を含めたさまざまなポジションの中途採用の統括をしています。
当社は「入社後活躍」という考えを大切にしており、自社の採用においても候補者との丁寧なマッチングを大切にしています。
AI面接導入の背景
リソースが逼迫する採用現場。抜本的な「業務効率化」が至上命題だった
──AI面接の導入前は、採用プロセスにおいてどのような課題があったのでしょうか。
高橋様:AI面接を導入した直接的なきっかけは、現場からの契約社員の採用オーダーが急増したことです。担当の久志本は正社員採用も兼務しており、対応できる人事のリソースが圧倒的に不足していました。担当の久志本は正社員採用も兼務しており、対応できる人事のマンパワーが圧倒的に不足していました。急速に膨らむ採用業務の中で、このリソース不足を解消し、メンバーが健全に働ける環境を取り戻すことが急務でした。
採用工数を大幅に削減しながらも、採用の質や充足率は落とせない。そんな状況のなかで着目したのがAI面接でした。久志本にプロジェクトリーダーを任せて、導入を進めてもらいました。

──数多くの採用オーダーに対して、当初はどのように対応されていたのですか。
高橋様:それまでは人事が一次面接、現場が最終面接を担当していましたが、人事の工数不足から、数の多い一次面接を現場に依頼し、最終面接を人事が行うという逆のフローにせざるを得ませんでした。しかし、これは本質的な解決策ではなく、現場の負担も大きくなります。また、面接に慣れていない社員もいるため、評価基準にばらつきが出てしまう懸念もありました。
そこで、AI面接を人事面接の代替とし、通過者に対して現場担当者の面接を案内するというフローに変更しました。
※AI面接の内容は人事が確認し、合否判断を実施しています
──久志本様は、プロジェクトリーダーとしてどのような思いで導入を進めていたのでしょうか。
久志本様:当時は、数多くの面接に対応する現場の担当者に加えて、日程調整を行う採用アシスタントにも相当な負担がかかっている状況でした。「全員が健全な状態で仕事を進められるようにしたい」という思いで進めていました。

エピソードの深掘りやアトラクトに時間を割き、採用CXを向上させたかった
──貴社では、一部の職種の中途採用(正社員)でもAI面接を活用されていますが、契約社員採用のフローや導入目的に違いはありますか?
高橋様:はい。「工数削減」が主な目的の契約社員採用に対して、正社員採用では「採用CX(候補者体験)の向上」を目的としています。選考フローとしては、「AIプレ面接→面接2〜3回」という流れにしています。これまで通り一次面接は人事が行うのですが、事前にAI面接で得た情報を活用して面接の質を高めるのが狙いです。
AI面接で候補者の情報を事前に把握することで、エピソードの深掘りや、候補者の意欲を高めるアトラクト(魅力づけ)に時間を使えるようになりました。
──AI面接の導入にあたって、懸念はありましたか?
高橋様:対人の面接に加えてAI面接を受けていただくことになるため、導入前は候補者の反応を懸念していました。しかし、AI面接の案内の際には「当社が大切にしている『入社後活躍』という考え方に基づき、お互いのことをより深く理解し、入社後のミスマッチを防ぐために、AIと人の両方で面接をさせていただきます」とお伝えしています。目的を丁寧に説明していることもあり、候補者の方からは、むしろポジティブな反応をいただいています。
導入後の効果
1日100分かかっていた日程調整が不要に。土日の面接が可能になり機会損失も防げる
──AI面接導入後の効果について教えてください。まず、工数削減を目的とした契約社員採用についてはいかがですか?
久志本様:人事の一次面接がAI面接に置き換わったことで、これまで1名の候補者にかけていた時間で3〜4名ほど対応できるようになりました。アシスタントが1日100分程度かけていた日程調整業務もなくなり、この効果も非常に大きいです。採用業務全体として工数が半分以下になったという実感があり、アシスタントも2名体制だったところを1名で対応できるようになりました。
──採用充足率に関してはいかがでしょうか。
久志本様:工数を大幅に削減しながらも、採用目標はしっかりと満たせている状況です。
また、契約社員採用の場合、主婦の方をはじめ、平日日中の都合がつきづらい候補者の方もいらっしゃいます。AI面接なら24時間面接を受けられるため、「土日に面接を受けられて助かった」という声もありました。機会損失を防ぐという意味でもメリットがあったと考えています。
深掘り質問が増えて候補者体験が向上。録画データをもとに別ポジションの提案も
──正社員採用においては、先ほど「候補者からポジティブな反応があった」というお話もありましたが、具体的にどのような反応があったのでしょうか。
高橋様:アンケートでは「AI面接で伝えた内容を踏まえて一次面接で深掘り質問してもらえたので、自分のことをしっかり理解しようとしてくれていると感じた」などの好意的な声をいただきました。候補者の満足度向上に繋がり、非常に嬉しく思っています。「AI面接は珍しく、楽しめた」といった声もいただいており、新しい選考体験として前向きに受け止めていただいているようです。
また、AI面接を導入することで、書類だけでは伝わりきらない候補者の魅力やポテンシャルを発見できることがあります。「書類から想定していたよりも当社にマッチする方だった」というケースも出てきました。当社が掲げる「入社後活躍」を、より大事にする採用ができるようになったと感じています。
今後の展望
他職種の採用にもAI面接を展開。さらなる効率化&候補者体験向上を目指す
──最後に、今後のAI面接の活用方針を教えてください。
高橋様:現状は契約社員採用や一部の中途採用での活用がメインですが、今後は営業職をはじめ、中途採用の全ての職種へ導入を拡大していきたいと考えています。また、工数削減のために、正社員の採用においても一次選考をAIに任せ、その後の現場担当者との面接に人事も一緒に入る、という形式も検討しています。ただ、AI面接に慣れていない候補者の方も多いので、徐々に職種を広げながら検証していくつもりです。
──貴重なお話をありがとうございました。
導入の背景
JR西日本グループは、「お客様との出会いを大切にし、お客様の視点で考える」という企業理念に基づき、快適で満足度の高いサービスの提供に取り組んでいます。
新幹線においては、様々なお客様がご利用されることから、車掌には高度な接客スキルが求められます。こうした高度な接客スキルは、これまで個々人の経験やOJTによる指導に依存する部分が大きく、知見を全車掌に平等かつ体系的に共有・活用することが課題となっていました。また、対人でのロールプレイング訓練は、社員同士で行うため、リアリティに欠けやすく、同時に複数の乗務員を訓練することから、限られた教育機会の中で体験できるシナリオの数に制約がある点も課題となっていました。
このような背景を踏まえ、新幹線車掌の接客対応力向上を目的として、2026年7月以降AIロールプレイングを導入し、新たなトレーニング手法として有効性を検証することとなりました。本取組では、多様な接客シナリオを高い再現性で提示し、個々のスキルに合わせた訓練項目の設定や自分のペースで気軽に訓練できる環境を構築することで、全乗務員が実践的な接客対応力を身につけ、お客様一人ひとりのニーズに寄り添った柔軟かつ高品質なサービスの提供を目指します。
JR西日本グループは、「私たちの志」と「長期ビジョン2032」を掲げ、その実現に向けて、様々なパートナーとともに新たな挑戦を続け、イノベーションを推進しています。その中で、以下のような点を特に評価いただき、「PeopleX AIロープレ」を選定いただきました。
・AIとの対話の品質の高さ
・シナリオや対話相手のAI、評価に関する設定の自由度の高さ
・AIによるシナリオ自動作成機能による運用のしやすさ
ご担当者様からのコメント
西日本旅客鉄道株式会社 新幹線運輸部 會見 有香子 様
「PeopleX AIロープレ」は、実際の接客に近いやり取りを高い再現性で繰り返し体験できる点に加え、昨今の傾向を踏まえたシナリオを柔軟に作成できる点が特徴だと感じています。また、その場で振り返りを行いながら改善につなげられることから、乗務員にとっては自身の対応を客観的に見直し、次の行動に活かす実践的な学習機会になると期待しています。今後は、本サービスの活用を通じて現場での対応力と判断力の向上を図り、お客様に寄り添ったサービス提供につなげてまいります。
※2026年6月25日 PeopleXプレスリリース「JR西日本、鉄道業界で初めて「PeopleX AIロープレ」を導入/お客様一人ひとりに寄り添った柔軟かつ高品質な対応の実現に向け、乗務員の接客対応力向上を目的として、対話型AIロールプレイングを導入」より抜粋
マリモホールディングスは、不動産事業を中心に複数事業を手がける株式会社マリモをはじめとした企業グループの経営管理・新規事業推進を行う持株会社です。
本インタビューの前半は「PeopleX AI面接・AIロープレ」の導入を推進した人事部の高部様に、サービス導入の背景を伺いました。後半では、マンション販売の営業担当の胤森様と伊藤様に、営業活動における課題感とAIロープレの活用実態について伺いました。

導入の背景
── 2026年は貴社にとっての転換期と伺ったのですが、詳細を教えていただけますか?
高部様(人事部):マリモホールディングスでは、2026年度を「人づくり元年」と位置づけ、事業成長を支える人材基盤の強化に取り組んでいます。その中で重視しているのが、「自助」と「共助」を前提とした人材育成の仕組みづくりです。個人の主体的な学習や挑戦(自助)を促しながら、それを組織として継続的に支え、育てていく仕組み(共助)をどう構築するか。この両立が、グループ全体の持続的成長に不可欠だと考えています。
── 人材育成において大切にされていることは何ですか?
高部様(人事部):マリモグループが目指しているのは、心理的安全性を基盤としつつ、学習と成長に向き合う「適度な緊張感」を維持できる組織です。私たちは、単に負荷を下げることや配慮を重ねることが「人を大切にすること」だとは捉えていません。期待を明確にし、成長に向き合い続ける環境を用意することこそが重要だと考えています。
── 素晴らしい姿勢ですね。その一環としてAI面接・AIロープレを導入されたのですね。
高部様(人事部):はい。今回のAI面接・AIロープレの導入は、採用や育成を効率化するためだけの施策ではなく、社員一人ひとりが主体的に学び、挑戦し続けられる共通基盤を整える取り組みです。今後もテクノロジーを活用しながら、個人の自律性と組織の育成力が両立する人づくりを進めていきます。
営業における課題感

── お二人の職務内容を教えていただけますか。
伊藤様: マンション売買の営業担当をしております。新卒で入社し、この4月から4年目に入ります。
胤森様:私はマリモで開発した新築マンションの販売をしています。元々はマリモに入ってからしばらくは事務職に従事していましたが、入社20年目を機に社内の「殻を破れプロジェクト」を利用して営業に転籍し、現在営業職としては5年目になります。
── 普段の営業活動で難しいと感じる点はどこでしょうか?
胤森様:お客様の「本音」を伺うことですね。数千万円という大きな買い物ですから、お客様は「買わされるんじゃないか」とガードを固めて来られます。そのガードを解き、話しやすい環境を作って本音をお話しいただく関係づくりに力を入れていますが、そこが非常に難しいと感じています。
── 関係づくりのために、どのような工夫をされていますか?
胤森様:些細なことですが、まずは天気の話など、自然な会話でのアイスブレイクを心がけています。お客様の不安な気持ちを解きほぐし、ガードを外していただくことを常に意識していますね。
── 伊藤様:はいかがでしょうか?
伊藤様:お客様のニーズを整理することが一番難しいと感じます。価格は安く、間取りは広く、利便性も良い、といったように、お客様はより良い条件を希望されますが、条件に100%合う物件はなかなかありません。条件に優先順位をつける必要があるのですが、場合によってはお客様とは違った「視点」をお伝えすることで、条件を変えていただいたり折り合いをつけていただくこともございます。
「PeopleX AIロープレ」を使ってみた感想
── AIロープレを使ってみて、率直な感想はいかがでしたか?
伊藤様:私はとても有意義に活用できています。対人でのロープレとは違う観点で質問が来るので、自分の知識不足やトークの引き出し不足に気づけたりします。そこで改めてインプットし直して再度ロープレにチャレンジするという、良いフローが組めています。
── AIロープレでご自身の知識不足や苦手なトークがわかると。
伊藤様:はい、その通りです。あとは自分の話し方や営業スタイルを客観視できるので、その点も学びになっています。
── AIロープレの評価についてはどう思われますか?
胤森様:初回の評点はそれほど高くなく、AIからは「具体的に言えていなかった」「結論を先に言いすぎている」といった少々辛口のフィードバックもありました。普段自分では意識しているつもりでもできていなかったことが客観的にフィードバックされる点は、非常に良かったです。私は負けず嫌いなので、ロープレで早くA判定を取りたいという気持ちになって、自然と練習が進みました(笑)。応酬話法の練習にもなり、役立つツールだなという印象です。
── 高い点数を取りたいという気持ちは、新人の方にも良い影響がありそうですね。
胤森様:そうですね。ロープレは事前にシナリオ設定しますし、AI相手ですので「こう答えたら100点なんだろうな」という準備ができると高を括っていたのですが、たとえ相手がAIであっても、会話の流れの中で実践できなければ意味がありません。どういう間で、どういう表情で話せばよいかという練習にもなるので、とても良いと思いました。

今後サービスに期待すること
── 今後、AIロープレにどのような機能があるとよいと思いますか?
伊藤様: 提案に必要な資料を読み込ませて、資料の内容に沿って提案をするロープレをしたいです。実際の接客時は、地図などを指し示しながらご案内するので、そういった資料を使いながらきちんと話せているか、という部分を練習・強化したいですね。
── 資料を活用したトークの練習ですね。胤森様はいかがですか?
胤森様:これはAIで実現できるのかわかりませんが、「顔の表情」「声のトーン」に人間のような変化があるといいなと思います。普段の営業活動でお客様から3つほど要望を提示された場合に、お客様がその中でどれを一番気にされているのかは表情やトーンでキャッチすることが多いように感じています。もちろん質問を重ねることで探っていくなどの方法もありますが、人間により近い心の機微について今後さらに改善されたらすごいなと期待しています。
── 貴重なご意見をありがとうございました。

GMOインターネットグループは、未来の経営幹部候補を採用する「新卒年収710万円プログラム」を実施するなど、新卒採用に特に力を入れている企業です。また、「GMO AI&ロボティクス商事」などAIを活用した事業を複数手がけ、社内でのAI技術活用も推進する最先端AI企業でもあります。
同社は「PeopleX AI面接」を導入したことで採用業務の大幅効率化を実現。現在は少数精鋭体制ながら、10,000名を超える応募者一人ひとりの個性や潜在能力を深く見極める採用フローを構築。AI技術の活用を全社的に推進する同社が、AI面接によってどのように採用活動の効率化と質の向上を両立させているのか、その詳細を伺いました。
担当者の職務
新卒採用は、未来の経営幹部候補を採用する「グループ最重要プロジェクト」
── はじめに、貴社の事業概要について教えてください。
吉田様:GMOインターネットグループは、約150社のグループ会社からなる総合インターネット企業グループです。上場企業12社を中心とし、インターネットインフラ、セキュリティ、広告・メディア、金融、暗号資産事業などを多彩に展開しています。
現在は「AI&ロボティクスで未来を創るNo.1企業グループ」というビジョンを掲げ、グループ全体でAI・ロボティクス事業を推進しており、社内業務の効率化にもAIを積極的に活用しています。グループ全体の生成AI業務活用率は約98%に達しています。
── ありがとうございます。その中で、吉田様と堀様はどのような業務を担当されているのでしょうか?
堀様:私たちは主に新卒採用を担当しています。現在、新卒採用(新卒年収710万円プログラム)はグループの最重要プロジェクトと位置付けており、高度人財採用の勢いをさらに加速させるべく、採用活動に励んでおります。
導入の背景と課題
少人数での新卒採用。応募者のポテンシャルをいかに見極めるか
──新卒採用を担当される中で、どのような課題を感じていらっしゃいましたか?
吉田様:私たちが担当する新卒採用は、すべてのオペレーションを少人数で回すことは現実的ではありませんでした。以前はエントリーシートの次に人事担当者が対面での一次面接を行っていましたが、同じフローでは物理的に対応が困難です。この一次選考の工数を大幅に削減するためにAI面接の導入は必須でした。
──全社的にAI導入を推進されているとも伺いました。AI活用状況についても教えていただけますか?
堀様:当社では毎月「GMO AI Day」という日を設けています。この日は全従業員がAIを学ぶか、AIを使って業務効率化に取り組むなど、AIに関することしか行いません。また、AIツールの利用料金を平均月1万円補助する「AIブースト支援金」という福利厚生制度もあり、簡単なチャット利用からコーディングまで、日常業務でAIを活用する文化が根付いています。こうした背景も、採用プロセスにAIを導入する後押しになったと思います。

導入の決め手
既存事業で抱いていたPeopleXの技術への信頼感。対話技術が選定のポイントに
──AI面接サービスの導入にあたり、他社サービスとの比較検討はされましたか?
吉田様:いえ、私は、以前にAI・ロボティクス事業に携わっており、その際にPeopleX様と技術面での取り組み(※1)をさせていただいた経緯があります。その時のやり取りを通じて技術的に優れていると感じていましたし、信頼感もありました。
※1【国内初】GMO AI&ロボティクス商事とPeopleXが協業し、ロボット人材派遣型サービスでAI対話機能を備えた「G1」の派遣を開始/ヒューマノイドロボットとAIの融合がもたらす新たな顧客体験を提供 https://peoplex.jp/news/20250902_02/
別事業での活用事例があったことで、当時導入を検討していた人事担当者も「これはいける」と非常に好意的に捉えていました。特に対話技術の高さが評価されていて、既存の取引関係と技術への信頼があったため、スムーズに導入が決まりました。
導入後の効果
ESでは見えない「No.1人材」の資質を発見。選考の質と効率が大幅に向上
── 実際に導入してみて、どのような効果を実感されていますか?
吉田様:私たちは「新卒年収710万円プログラム」として、未来の経営幹部候補となる人材を採用しています。何かしらの分野で「No.1」の取り組みをしてきた方や、AI・ロボティクスに深い知見を持つ方など、エントリーシートだけでは読み取れない「秀でた人材」は多く眠っています。
AI面接を導入したことで、人の面接コストをかけずに、応募者一人ひとりの話を深く聞けるようになりました。こちらで質問をカスタマイズできるので、「普段どのAIモデルをどのように活用していますか?」といった具体的な問いを通じて、その方の興味の度合いや知識レベルを正確に把握できます。これにより、応募者の見極めの質、ひいては選考の精度が向上したと実感しています。

── AI面接のデータはどのように活用されていますか?
吉田様:新卒採用には10,000名以上の応募がありますが、「全文文字起こし機能」が非常に優秀で、これを主に活用しています。まず面接の「要約」と「文字起こし」を確認し、そこで話されている内容を見て判断します。評価スコアは参考程度で、ボディランゲージなどが低くても内容が良ければ全く問題にしません。動画は、雰囲気を確認したり、後続の面接官に申し送りをする際に見返したりします。メモだけでは伝わりきらない情報を共有できるので、面接官全員が同じ認識を持って選考に臨める点も大きなメリットです。
堀様:エントリーシートには書ききれなかった、さらに深い情報を話してくださる候補者の方も多いです。文字起こしデータでその重要な部分をしっかり確認できるのは、とても助かっています。
今後の展望と期待
「この人はGMOと相性が良い」AIが候補者の活躍可能性を示唆する未来へ
── 最後に、今後のサービスの活用方針や、AI面接というサービスに期待することをお聞かせください。
吉田様:今後、蓄積された選考データをAIが分析して、「この人はGMOインターネットグループとの相性が90%です」といったように、候補者との相性を示してくれるようになると面白いですね。私たちが判断に迷うような候補者でも、過去のデータから「このタイプの人は活躍する傾向がある」といったサジェストがあれば、これまでとは違う視点で候補者を見極めることができ、採用の可能性がさらに広がるのではないかと期待しています。
堀様:そうですね。入社後の活躍度合いまでデータ連携ができるとさらに精度が上がりそうですので、期待しています。
──貴重なご意見ありがとうございます。ぜひ今後の開発の参考にさせていただきます。本日はありがとうございました。

